小林製薬紅麹問題 過去タンクに水混入 問題との関係は不明

小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、過去に工場で紅麹原料を製造するタンクの中に水が混入するトラブルがあったことがわかりました。
会社は「今回の問題と関係があるかはわからない」としていて、大阪市などは工場の衛生管理の状況について調べています。

この問題は、小林製薬の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症し、去年、大阪市内の工場で製造された紅麹原料から青カビが作る「プベルル酸」とみられる物質が検出されています。
この工場は老朽化を理由に去年12月に閉鎖していますが、過去に紅麹原料を製造するタンクに水が混入するトラブルがあったことが会社への取材でわかりました。
会社によりますと、このタンクではコメに紅麹菌を加えて培養していて、タンクは外側の一部が温水につかる構造になっていました。
しかし、何らかの不具合で温水がタンクの内部に入ったとみられるということです。
会社ではタンクの部品を交換するなどして対応し、中の紅麹原料は廃棄したということです。
会社はトラブルが起きた時期を明らかにしておらず、「今回の問題と関係があるかはわからない」としています。
大阪市などは先月(3月)この工場に立ち入り検査を行っていて、過去のトラブルの経緯を含め、工場の衛生管理の状況や製造工程などについて調べています。

【小林製薬「紅麹」問題 返品のネット受け付け拡大】
小林製薬は、「紅麹」の成分を含む健康食品の回収を進めるため、インターネットでの返品受け付けを拡大すると発表しました。
小林製薬は、大阪市の行政処分などに基づき、「紅麹」の成分を含む「紅麹コレステヘルプ」など3種類の製品について購入した人からの回収を進めています。
返品の申し込みは電話で受け付けていて、インターネットでの受け付けは、通信販売で購入した人に限っていました。
小林製薬はドラッグストアなどの店舗や各種の販売サイトで購入した人についても、6日からは電話とインターネットの双方で受け付けると発表しました。
インターネットでの返品の受け付けは、6日午前9時から開始するということで、小林製薬は会社のホームページを確認してほしいと呼びかけています。

【小林製薬「紅麹」 供給受けた173社 期限までに健康被害報告なし】
小林製薬の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、厚生労働省は、小林製薬の紅麹原料を仕入れた企業に健康被害の情報が寄せられた製品がないかなど自主点検を求めていましたが、報告期限までに、該当する製品の報告が無かったことが関係者への取材でわかりました。
小林製薬をめぐっては、大阪市が「紅麹」の成分を含む「紅麹コレステヘルプ」など3つの製品に対し回収命令を出していて、厚生労働省は小林製薬の紅麹原料を仕入れた企業名を公表し、自主点検を求めていました。
自主点検は、▼命令の対象になった3製品に含まれるのと同量以上の紅麹を1日あたり摂取することになる製品や、▼過去3年間に医師から健康被害が1件以上報告された製品があるかどうかについてで、これまでに、小林製薬が紅麹原料を直接卸した52社については、該当する製品がなかったことがわかっていました。
この52社から原料の供給を受けた173社については、5日が自主点検の報告期限でしたが、関係者への取材で、期限までに、該当する製品の報告が無かったことがわかりました。