「文楽」アニメーション映像で背景表現した公演

日本の伝統芸能・文楽を海外でも手軽に上演するための新たな試みとして、大道具の代わりにアニメーションの映像で背景を表現した公演が、23日から始まりました。

東京都内の会場で上演されたのは文楽の名作「曽根崎心中」で、アニメーションの背景画を、映画「となりのトトロ」や「もののけ姫」などで知られるアニメーション美術監督の男鹿和雄さんが手がけました。
ある事件をきっかけに徳兵衛と恋人のお初が曽根崎の森で心中する有名な場面では、背景に暗い夜の森が神秘的に表現され、決意を秘めた2人の心情を引き立たせていました。
企画した国立劇場によりますと、アニメの映像を使うことで大道具を運ぶ手間やコストを省けるため、海外でも上演しやすくなるということです。
徳兵衛を演じている人形遣いの吉田玉助さんは、「文楽につきものの大道具がなくなることで、海外などに行きやすくなると感じます。この試みを通じて新しいお客さんに見てもらい、文楽を大きくしたい」と話していました。
公演は、今月29日まで東京・千代田区の「有楽町よみうりホール」で行われます。