北大阪急行 北に延伸し新区間23日開業 新駅周辺で開発加速

大阪北部を走る「北大阪急行電鉄」が北側に延伸し、23日、新しい区間が開業します。
新たな終点となる「箕面萱野駅」から大阪メトロの梅田駅までが最速で25分で結ばれアクセスが大幅に向上することから、箕面市の新駅周辺ではマンション建設など開発が加速しています。

阪急電鉄や大阪府などが出資する第三セクターの北大阪急行電鉄は北側の終点の千里中央駅からおよそ2.5キロ延伸し、23日、「箕面船場阪大前駅」と「箕面萱野駅」の2つの駅を開業させます。
すべての列車は大阪メトロ御堂筋線と直通運転で▼箕面萱野駅から▽新大阪駅までを最速19分、▽梅田駅までを最速25分で結ぶことになり、大阪市中心部へのアクセスが大幅に向上することになります。
開業に先駆けて新駅周辺では高層マンションが次々と建設されているほか、大学のキャンパスや、図書館と劇場などを組み合わせた複合施設がオープンするなど開発が加速していて新たなにぎわいが生まれています。

【住民の声は】
箕面市に住む37歳の女性は、「今まで箕面市は車社会で、どこに行くにも車だったが、新大阪や梅田まで電車で行くことができるようになり子どもは電車に乗れることを喜んでいる。都心とのアクセスがよくなり、とても住みやすくなる」と話していました。
また、71歳の男性は、「新駅周辺に図書館ができたりして大変便利になっているし大阪大学の外国語学部ができて学生も増えてすごくいいなと思う。延伸によって、地域の発展につながっていると感じる」と話していました。

【新駅の周辺 開発進む】
北大阪急行電鉄の延伸によって大阪の中心部へのアクセスが向上することから、箕面市の新駅周辺では、高層マンションが建設されるなど開発が加速しています。
このうち、東京建物などは、新駅の「箕面船場阪大前」から徒歩3分に駅直結の30階建ての高層マンションを建設しています。
住居の数は、あわせて397戸で、価格は▼最も安い1LDKが3900万円台、▼最も高い最上階の147平方メートルの2LDKは3億2000万円となっています。
会社によりますと、おととし(2022年)から販売を開始しましたが、今月(3月)時点でおよそ9割が成約済みで30代の共働き世帯やシニア層が大阪の中心部へのアクセス向上を理由に購入するケースが多いということです。
東京建物関西住宅営業部の小保内剛 部長は「売り出した当初は、客からは相場より高いという反応があったが、新駅の開通とマンション価格の高騰によって、今では妥当な値段だと思ってもらえていて、契約のスピードは非常に速いと感じている。利便性の向上と住環境の良さでこのエリアの需要はまだまだ伸びていくと感じている」と話していました。
駅周辺にはさらに2棟の高層マンションが建設予定となっているほか、すでに図書館や劇場などが整備され、延伸をきっかけに新たなにぎわいが生まれています。

【箕面市 人口増の見込みで対応】
箕面市は北大阪急行電鉄の延伸で移住してくる人の増加が見込まれることから、小学校を増築するなど、受け入れ態勢を強化しています。
北大阪急行電鉄の延伸で大阪の中心部へのアクセスが向上し、マンションが次々と建設されていることなどから、箕面市は延伸後20年間で人口がおよそ2000人増えると推計しています。
中でも子育て世代の増加が見込まれることから、箕面市は小学校の受け入れ態勢を強化しています。
このうち、新駅周辺にある萱野東小学校では2億7000万円余りをかけて鉄骨3階建ての校舎を新たに建設して教室を6つ増やし、児童数の増加に対応します。
また、市立病院の跡地を活用して、2032年の春に向けて中学校が隣接した形で、新たに小学校を開校することを検討しています。
箕面市教育委員会の乾敬一朗 教育政策室長は、「人口が減少する中、これから持続していける市を考えると、若い世代に入ってきてもらうのは喜ばしい。延伸に伴って転入していただける教育環境を整えていきたいと思っている」と話していました。