「医療的ケア児」の災害時の備えは 保護者や専門家が話し合う

たんの吸引など医療的なケアが日常的に必要な子どもたちの災害時の備えについて、保護者や専門家が話し合うワークショップが大阪市で開かれました。

たんの吸引や人工呼吸器など医療的なケアが日常的に必要な「医療的ケア児」は、推計で全国で2万人以上いるとされています。
16日は、こうした子どもたちの災害時の備えについて話し合うワークショップが大阪・城東区で開かれ、保護者や行政の担当者、それに医療関係者など39人が参加しました。
参加者は、能登半島地震も踏まえて課題について話し合い、停電が長引く場合に備えて電源が確保できる離れた地域にあらかじめ避難先を確保しておくことも重要だという意見が出ていました。
また、かかりつけの医療機関に行けないことを想定して、ふだん使っている薬の処方箋のコピーを用意しておくことも確認していました。
参加した保護者の男性は、「家族だけで考えるのは限界もあるので、多くの人と話し合えて心強く感じました。さっそく家に帰って、備えを見直したいです」と話していました。
ワークショップを企画した大阪信愛学院大学看護学部の阪上由美准教授は、「医療的ケア児の存在は、まだよく知らない人も多い。幅広い支援が実現できるよう活動を続けていきたい」と話していました。