能登半島地震で被災 イギリス人の漆塗り芸術家 大阪で作品展

能登半島地震で被災したイギリス人の漆塗りの芸術家の作品展が6日から、大阪・東住吉区のギャラリーで始まりました。

イギリス出身のスザーン・ロスさん(61)は、ロンドンで作品を見たのをきっかけにおよそ40年前に来日して漆塗りを学び、石川県輪島市で創作活動を続けてきました。
地震で自宅と工房はほぼ全壊しましたが、被害を免れた作品を集め、6日から大阪・東住吉区のギャラリーで作品展を開いています。
会場には▼つやが美しい漆黒の器や▼らでんの細工が施された皿、そして▼鮮やかな朱色のイヤリングなどのアクセサリーも展示されています。
京都市から訪れた70代の女性は「イギリス人なのに、漆を大事にしてくれていると感じました。生き残った大事な漆塗りの作品たちなんだなと思いました」と話しました。
地震が起きたとき、スザーンさんがいた工房は大きな揺れで足元の床が裂け、スザーンさんは必死に裏山へ逃げたということで、会場には壊れた工房や自宅の写真も展示されています。
スザーンさんは「輪島の町のほうを見たら真っ赤に燃えていた。輪島が全部焼けてしまうと思った」と当時の心境を語りました。
そのうえで「漆塗りには日本人のアイデンティティーがあり、この伝統を絶対に消してはならない」と話しました。
作品展は3月17日まで、大阪・東住吉区の「カフェと雑貨g・fortune」で開かれています。
(※期間中の11日(月)12日(火)は休み)