「漬物」の製造 6月から基準厳しく 対応迫られる小規模店舗

「漬物」についてお伝えします。
実はいま、「漬物」作りが大きな岐路にあります。
衛生基準が厳しくなるためです。
現場ではどう対応しようとしているのか取材しました。

【漬物の製造販売 6月から保健所の許可必要に】
食品衛生法の改正により、ことし6月から、漬物を製造して販売する場合には保健所の許可が必要になります。
許可を得るためには製造施設が一定の衛生基準を満たす必要があるため、これまで手作りで漬物を製造してきた個人や小規模な店舗などは対応を迫られています。
漬物の製造をめぐっては、食品衛生法が改正されたことをうけ、ことし6月から▼台所とは別に衛生的な専用の作業場を設けることや▼結露やカビの発生を防ぐ換気設備、▼手洗い専用の洗い場を設けるなど、一定の衛生基準を満たしたうえで保健所から営業許可を得る必要があります。
しかし、新たに多額の設備投資が必要になる場合もあり、個人や小規模な店舗などでは漬物作りを諦めるところも出るなど影響が広がっています。

【大阪 鶴橋 キムチを作る店は】
大阪の鶴橋商店街ではおよそ190の店舗のうち3割ほどがそれぞれの店の味のキムチを製造し、販売しています。
商店街の振興組合によりますと、店の奥でキムチを漬けて店頭でそのまま販売する個人経営の小さな店も多く、食品衛生法が改正されることを受け、設備の改修など対応を迫られているということです。
このうち、15年以上手作りキムチの販売をしているイ・ユンジさんの店では27日も、作ったばかりの白菜キムチやカクテキなど、およそ10種類のキムチが店頭に並べられていました。
イさんは経営する韓国料理店のちゅう房でキムチを作っていますが、野菜専用の洗い場がないなど基準を満たしていないため、今後、ちゅう房の改修や別の場所に専用の作業場を設けることも検討しているということです。
イさんは「野菜専用の洗い場がないので、それなりの設備を整えないといけない。結構な費用がかかりますが、なんとか対応して、味を守っていきたい」と話していました。
また、「小さなところでキムチ作りが難しくなるところもあると思います」と話していました。