“志村けんさんにコロナ”投稿で名誉毀損訴訟 賠償命じる判決

新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなったコメディアンの志村けんさんに「コロナをうつした」などとインターネット上に書き込まれて名誉を傷つけられたとして、大阪・北新地のクラブのママが、投稿した2人に損害賠償を求めた裁判で、大阪地方裁判所は22日、「国民的な人気のある芸能人が死亡する原因を作ったような印象を与えた」として、それぞれに12万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

大阪の繁華街・北新地にあるクラブのママ、藤崎まり子さんはコメディアンの志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった4年前の3月、インターネットの掲示板に「志村けんにコロナ移したのまりこママだよ」などとうその書き込みをされて拡散し名誉を傷つけられたとして、投稿した2人に、それぞれ約126万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
22日の判決で、大阪地方裁判所の中尾彰裁判官は「当時、新型コロナの感染が拡大しており、各人が防止に努めるべきと考えられていた」と指摘しました。
そのうえで「投稿の内容は、国民的な人気のある芸能人が死亡する原因を作ったかのような印象を与えるもので、精神的苦痛の程度は相当強い」などとして、それぞれに12万円の支払いを命じました。
藤崎さんは、同じような書き込みをしたほかの投稿者にも訴えを起こしています。