大津 鎌倉時代の墓から「えぼし」発見 “良好な状態で貴重”

大津市にある鎌倉時代の墓から当時の男性が頭にかぶる「えぼし」が見つかり、滋賀県文化財保護協会は「えぼしが良好な状態で出土するのは少なく貴重だ」としています。

えぼしが見つかったのは、大津市稲津にある「里西遺跡」で、おととし(2022年)、鎌倉時代とみられる墓から土器や短刀などとともに平らに押しつぶされた状態で、出土しました。
えぼしは、幅27センチ、高さ22センチの大きさで、表面に黒い漆が塗られていて、素材は絹とみられるということです。
鎌倉時代の成人男性は、頭頂部を見せることが恥とされたことから、えぼしをかぶっていたと言われ、調査に関わった研究者は、墓の状況などからこの地域の開発に関わっていた武士などの有力者のものではないかとみています。
調査にあたった滋賀県文化財保護協会の中村智孝さんは、「この時代のえぼしが良好な状態で出土するのは少なく、貴重だ。実際に見てもらい、当時の人々の暮らしぶりを感じてほしい」と話していました。
見つかったえぼしは保存のための処理を終え、2月21日から4月5日までの平日、大津市にある滋賀県埋蔵文化財センターで公開されます。