近畿 4月並みの暖かさ 15日夕方から急な強い雨など注意

14日の近畿地方は、最高気温が20度を超えるところも出るなど4月並みの暖かさとなりました。
この暖かさは15日も続きますが、夕方から夜遅くにかけては大気の状態が非常に不安定になるおそれがあり、急な強い雨などに注意が必要です。

大阪管区気象台によりますと、14日の近畿地方は、広い範囲で高気圧に覆われておおむね晴れ、各地で気温が上がりました。
日中の最高気温は▼和歌山県田辺市の栗栖川で21.3度、▼大阪・枚方市で20.1度、▼兵庫県の香美町香住で19.9度、▼京都市で19.8度と4月並みの暖かさとなり、各地でことしに入ってもっとも気温が高くなりました。
気象台によりますと、この暖かさは15日まで続く見込みです。
ただ、15日朝には日本海に低気圧が発生し、前線が夜に近畿地方を通過する見込みで、夕方から夜遅くにかけては大気の状態が非常に不安定になるおそれがあります。
局地的に雷雲が発達するおそれもあり、竜巻などの激しい突風や落雷、急な強い雨に注意してください。
発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど安全確保に努めてください。

【奈良公園では半袖姿も】
4月中旬並みの暖かさとなった奈良市の奈良公園では、観光客や地元の人たちが、上着を脱いで半袖で歩いたり、アイスクリームを食べたりしていました。
また、公園にいるシカも、日ざしを避けるように木陰で寝そべっていました。
京都府京田辺市から夫婦で訪れた70代の男性は、「昼前に家を出たときから暑かったです。上着を脱いで観光します」と話していました。
また、大阪から訪れた80代の男性は、「この時期は寒いですが、きょうは暖かい中で孫と一緒にシカを見られてよかったです」と話していました。

【六甲山 氷室用の氷できず】
暖冬の影響で神戸市にある六甲山の展望台では、夏の間、「天然のクーラー」として使うための氷ができず、氷の切り出し作業をやむなく中止することになりました。
神戸市灘区の六甲山の山頂近くにある展望台、「六甲枝垂れ」では、冬場に池に張った氷を地下の「氷室」で貯蔵し、夏に「天然のクーラー」として利用しています。
例年は1月下旬ごろに氷の切り出し作業が行われますが、この冬は例年と比べて気温が高い日が続き、雨水をためる池に十分な厚さの氷が張らない状況が続いています。
4月並みの暖かさとなった14日も、池に氷はありませんでした。
このため、展望台を運営する会社では、ことしはこの池での氷の切り出し作業をやむをえず中止したということです。
切り出し作業の中止は、2020年以来だということです。
ことしの夏の「天然のクーラー」については別の方法で氷を確保できないか検討するとしています。
展望台を運営する「六甲山観光」の森永志歩 広報主任は「ここまで氷が張らないことはとてもめずらしく、結果として氷の切り出しができないのはとても残念だ。夏の風物詩である『天然のクーラー』が開催できるよう、検討を重ねたい」と話していました。

【梅の見頃早まり桜のつぼみも】
近畿地方では4月並みの暖かさとなり、14日の大阪市の最高気温は19.1度となりました。
大阪・中央区の大阪城公園にある梅林には、ピンクや白の梅の花が一面に広がっていて、公園の管理会社によりますと、暖かさの影響で見頃を迎えるのが例年よりも1週間ほど早いということです。
訪れた人たちは、着ていた上着を脱いで写真を撮るなどして楽しんでいました。
また、公園内の桜のつぼみが早くも膨らみ始めたのが確認されたということです。
大阪市内から訪れた20代の女性は、「梅がこんなに咲いているとは思いませんでした。きょうは暖かいので春の訪れを感じています」と話していました。
堺市から訪れた70代の男性は、「ニットを着ていますが暑いです。汗ばんできたので、こちらに着いてから上着を脱ぎました」と話していました。
公園を管理する大阪城パークマネジメントの菅野浩一さんは「この2〜3日暖かいことで咲き方が加速して梅の花は見頃を迎えました。花だけでなく、つぼみや香りも楽しんでもらいたいです」と話していました。