春節 中国などからの観光客 関西に

中国の旧正月にあたる「春節」が今月10日から始まり、大阪・ミナミの観光地、道頓堀は大勢の観光客でにぎわっています。
訪れた人は買い物をしたり写真を撮ったりして旅行を楽しんでいました。
北京から来たという女性は「おいしいものを食べるのが楽しみで、ラーメンを食べました。あすは京都に行くので文化的な体験を楽しみたいです」と話していました。
香港から訪れた男性は「きのうは京都でうどんやすき焼きを食べました。きょうは娘の靴と服を買うなどショッピングを楽しむ予定です」と話していました。

【南紀白浜に中国からの観光客】
中国では今月10日から旧正月の「春節」にあわせた大型連休が始まり、和歌山県白浜町の観光名所でも中国からの観光客の姿が見られました。
和歌山県白浜町にある国の名勝に指定されている断崖、三段壁にある観光施設は展望台から雄大な海の景色が楽しめることで知られ、中国のSNSでも話題の観光スポットとなっています。
10日も午前中から、外国からの団体観光客が次々と訪れていました。
施設によりますと、外国からの観光客はコロナ禍前の半分ほどにまで回復してきているものの、中国本土からは個人旅行で訪れている人が多く、本格的な回復には至っていないとみています。
広州から訪れた男性は「コロナ禍が明けて、4年ぶりに日本に来ました。温泉が目当てのほか、広州と距離的にも近かったので白浜を選びました」と話していました。
また、上海から家族で来た女性は、「友達に和歌山は日本人が好きな場所だと聞き、訪れることにしました。春節で大阪や京都は混雑すると思い、和歌山に来ました。海の景色や温泉を楽しみたいと思います」と話していました。
観光施設「三段壁洞窟」の栗山椋さんは、「ふだんの休日は日本人が多いが、春節を迎え、台湾や香港、中国などの観光客が増えている。ただ、コロナ禍前までの水準には戻っていないので、今後、中国本土からの旅行客も増えてくることを期待したい」と話していました。

【中国のSNSでも人気】
和歌山県内を訪れた中国人観光客によりますとガイドブックではなく、SNSで興味を持って訪れたという人の姿が多く見られました。
このうち、白浜町の「三段壁」は高さおよそ60メートルの断崖がそそり立ち、崖の下の部分の洞窟から雄大な海の景色が楽しめる地元を代表する観光スポットです。
中国のSNS、「ウェイボー」には、展望台や洞窟から撮影された多くの写真が投稿されています。
また、中国で若者に人気の写真や動画の投稿アプリでは、三段壁について、「景色は壮観だった」や「洞窟の中で海の音が響いている」といったコメントが載せられるなど、日本の原風景が好まれて投稿されています。

【白浜の旅館予約増】
「春節」の大型連休で、和歌山県白浜町の宿泊施設では、香港や台湾などからの宿泊客が大勢訪れ、にぎわっています。
関西でも有数の観光地である和歌山県白浜町では、春節の大型連休で海外から多くの人が訪れています。
このうち、「紀州・白浜温泉むさし」は、春節の大型連休の期間中、最も多い日では、春節を祝うアジアの国々からの予約が宿泊者の半分を占めていて、団体客もいるということです。
旅館によりますと、コロナ禍では、ほぼ見られなかった海外からの宿泊客は、去年(令和5年)5月以降から戻り始め、去年1年間で、香港や台湾、それに中国本土からの宿泊客が合わせて3000人余りと、回復傾向にあるということです。
旅館では、今後、中国本土から個人旅行をする人が増えるとみていて、コロナ禍前の水準に戻ることを期待しています。
「紀州・白浜温泉むさし」のおかみ・沼田弘美さんは、「去年の春節は、新型コロナウイルスの影響で海外からの宿泊客はほとんどいなかったが、ことしは、団体の予約も入っていて、にぎわっているように感じる。来年には大阪・関西万博の開催も予定されているので、中国からの旅行客が増えることを期待したい」と話していました。

【観光船は中国人乗客比較的少なく】
大阪湾を周遊する観光船の「サンタマリア」は、外国人観光客が多く利用していて、船を運航する会社によりますと、今年度(2023年度)の乗客の数はコロナ禍前の2019年度の水準に戻ってきているということです。
ただ、ことしは春節に合わせた大型連休の期間に入っても、中国人の乗客が比較的少ない一方、東南アジアや韓国などからの客が多く訪れているということです。
13日午後3時に港を出発する便にも、アジアからの観光客を中心におよそ300人の乗客が乗り込み、大阪湾から眺める景色を写真におさめていました。
韓国から訪れた男性は「景色が良くて最高です。お好み焼きなどおいしいものを食べたい」と話していました。
「大阪水上バス」の岸田俊徳 次長は「春節と言いながら、中国以外の、いろんな国の方がお越しになっているというのがことしの傾向です。飛行機の便数が回復すれば、中国の方も徐々に増えてくると思うので、どの国のお客さんが多いかを見極めながら外国語の案内文を変えるなど柔軟に対応していこうと思います」と話していました。