ダイハツ 基準適合確認の2車種 2月中旬の生産再開検討

ダイハツ工業による自動車の認証取得をめぐる不正問題で、ダイハツは、先週、国土交通省が基準への適合を確認した商用車の2車種について、来月(2月)中旬に車の生産再開を目指す方向で具体的な検討に入りました。
部品メーカーの準備状況などを調べたうえで、最終的な判断を行う方針ですが、国内に4つある自動車工場の全面的な稼働再開には時間がかかることも予想されます。

ダイハツ工業は、国の認証を不正に取得していた問題で、国内にある4つの自動車工場の稼働を先月(12月)下旬から停止していますが、国土交通省は先週、不正のあった車種のうち5つの車種で基準への適合が確認されたとして出荷停止の指示を解除しました。
関係者によりますと、ダイハツは、このうち、京都工場で生産するトヨタ自動車ブランドの「プロボックス」など商用車の2車種について、来月(2月)中旬に車の生産再開を目指す方向で具体的な検討に入りました。
直接取り引きがある部品メーカーなどを対象に供給の準備状況などの調査を進めていて、その結果を踏まえて最終的な判断を行う方針です。
ダイハツは23日夕方、説明会を開き、部品メーカーに当面の方針などを説明しているものとみられます。
ダイハツの不正問題では、下請け企業など多くの取引先がある地域経済への影響の長期化が懸念されています。
主力の軽自動車など残る40車種については、国土交通省が確認試験を進めていて、国内に4つある自動車工場の全面的な稼働再開には時間がかかることも予想されます。

【リース会社“長引くほど損失”】
ダイハツの主力の軽自動車を含む多くの車種で出荷が停止されている中、企業向けにダイハツ車を貸し出している会社では、出荷停止の長期化による影響を懸念しています。
大阪・箕面市のカーリース会社では、企業向けにおよそ300台の車を貸し出していますが、そのうちおよそ7割をダイハツ車が占めています。
この会社では、貸し出している車の車検の有効期間が切れる前に、新車と入れ替えることが多いといいますが、ダイハツの不正問題で、主力の軽自動車を含む多くの車種で出荷が停止されている影響で、新車の仕入れができなくなっています。
このため、この会社では、貸し出し先の企業に車検を行ってもらったうえで同じ車を使うよう依頼していますが、車検にかかる費用の一部をみずから負担して客をつなぎ止めているといいます。
現時点ではそれほど大きな負担にはなっていないということですが、出荷停止による影響が長期化した場合は負担がふくらむことを懸念しています。
「まらねろレンタリース」の高田宗慶 社長は「生産や出荷の停止が長くなれば長くなるほど損失も大きくなる。補償に関する情報がほとんどないので不安が大きく、ダイハツから生産再開の見通しなどについて説明がほしい」と話していました。