滋賀 全国に投下「模擬原爆」大津での被害など伝える講演会

太平洋戦争末期、アメリカ軍は原爆投下の訓練として「模擬原爆」と呼ばれる爆弾を各地で投下しました。
「模擬原爆」は大津市にも投下されていて、その被害などを伝える講演会が開かれました。

この講演会は20日、滋賀県草津市にある立命館大学びわこ・くさつキャンパスで市民向けに開かれました。
主なテーマは、太平洋戦争末期の昭和20年7月にアメリカ軍が原爆投下の訓練として、大津市に投下した「模擬原爆」の被害で、研究者など6人が講演しました。
このうち立命館大学の鈴木裕貴 研究員は「模擬原爆」が長崎に投下された原爆と同じ形・重さの爆弾で、近畿を含む全国各地で49発が投下されたことを紹介しました。
大津市での投下では16人が犠牲になり、100人以上が負傷したことや、アメリカ軍が京都市を原爆投下の候補地のひとつとしていたことを説明し、京都・滋賀も原爆と無縁ではないと述べました。
講演を終えた鈴木 研究員は「かつて滋賀に『模擬原爆』が投下され、被害があったことを知ることは、現在の核兵器をめぐる状況について考える材料にもなる」と話していました。