阪神・淡路大震災29年 「生」の文字ろうそくで照らし追悼

阪神・淡路大震災の発生から17日で29年となるのを前に、兵庫県宝塚市では、漢字の生きるという文字をかたどったモニュメントをろうそくの明かりで照らし、亡くなった人たちを追悼しました。

この催しは、震災からの再生を願うとともに、命の大切さや生きることの意味について考えてもらおうと、宝塚市の市民団体が毎年この時期に行っています。
16日は、武庫川沿いの遊歩道にある、漢字の生きるという文字をかたどったモニュメントの前に住民や学生ボランティアが集まりました。
そして、あたりが薄暗くなった午後5時ごろ、市内で亡くなった119人と同じ数のろうそくに火をともし、モニュメントを照らしました。
地震が起きた時刻の半日前にあたる午後5時46分になると集まった人たちが黙とうをささげ、震災当時、宝塚歌劇団に在籍し、自宅で被災した歌手の絵莉千晶さんが追悼の思いを込めて「アメイジング・グレイス」を独唱しました。
近くの武庫川の中州には、石を積んで漢字の生きるの文字をつくったオブジェもあり、懐中電灯の明かりで照らされて橋の上から静かに見守る人の姿が見られました。
主催した市民団体の代表の大野良平さんは、「震災を経験していない世代が増える中、催しを通じて命の大切さをかみしめてもらうとともに、能登半島地震の被災地の皆さんと思いを共有したい」と話していました。
歌い終えた絵莉千晶さんは、「元日の能登半島地震もあり、よりいっそう命の大切さを思いながらきょうは歌いました。阪神・淡路大震災の当時のことを忘れずに、これからも元気に生きていきたい」と話していました。