ワクチン関連業務で詐欺 近畿日本ツーリスト元社員に有罪判決

新型コロナウイルスのワクチン接種の関連業務で、静岡県の自治体から2億2000万円余りの業務委託費をだまし取ったとして詐欺の罪に問われた近畿日本ツーリスト静岡支店の元社員に、大阪地方裁判所は執行猶予のついた懲役2年の有罪判決を言い渡しました。

近畿日本ツーリスト静岡支店の元社員、大久保功被告(58)は、静岡県の掛川市と焼津市から委託を受けていた新型コロナのワクチン接種のコールセンター業務で、去年(2023年)3月までの2年間にわたり、オペレーターの人数を偽って委託費を過大に請求するなどし、水増しした5200万円余りを含む2億2400万円余りをだまし取ったとして詐欺の罪に問われました。
16日の判決で、大阪地方裁判所の矢野直邦 裁判官は、「新型コロナで打撃を受けた会社の収益回復のために公的資金をだまし取ろうとした考えは安易だ」と指摘しました。
一方で、「市への被害弁償は済んでおり、被告は懲戒解雇されている」として、懲役2年、執行猶予4年を言い渡しました。
近畿日本ツーリストの過大請求をめぐっては、大阪の元支店長など3人も東大阪市から人件費などをだまし取ったとして逮捕・起訴されています。