滋賀 湖南 長寿寺 無病息災など願う「鬼走り」

本堂が国宝に指定されている滋賀県湖南市の寺で、鬼にふんした子どもが走り回り無病息災などを願う「鬼走り」という伝統行事が、14日、行われました。

湖南市の長寿寺で毎年1月に行われている「鬼走り」は、無病息災や五穀豊じょうを願うとともに成人式の意味合いも持つ伝統行事です。
住職のかけ声を合図にかねや太鼓、それにほら貝の音が響き渡ると、大きな面をつけて赤鬼と青鬼にふんした子どもたちが交互に本堂に姿を現しました。
鬼たちは剣やたいまつなどを振りかざすような舞を披露したり、荒々しい様子で走り回ったりしました。
鬼にふんする子どもは「鬼子」と呼ばれ、本来は15歳になる男子がつとめ地域で一人前として扱われるという言い伝えがあります。
しかし最近は少子化を背景に小学生が「鬼子」役を担うことが多く、ことしは小学6年生の2人が見事に演じました。
鬼を演じた児童たちは、「緊張しましたが頑張りました」とか、「迫力のある鬼を演じることができました」と話していました。
長寿寺の藤支良道住職は、「子どもが宝であることを認識する大切な行事でもあるので、これからも続けていきたいです」と話していました。