万博 自前建設の海外パビリオンで初めて シンガポールが着工

大阪・関西万博の開幕が来年春に迫る中、海外の国が自前で建設するタイプのパビリオンとして初めてシンガポールが10日、工事に着手しました。
ただ、依然として半数近くの国は建設会社が決まっていない状況で、実施主体の博覧会協会などが調整を急いでいます。

大阪・関西万博には160の国と地域が参加し、このうちおよそ60か国がパビリオンを自前で建設する「タイプA」と呼ばれる方式で出展する意向を示していますが、資材の高騰などを背景に準備の遅れが表面化しています。
こうした中、10日、「タイプA」の国として初めてシンガポールが建設工事に着手し、担当者らおよそ10人が基礎工事のための測量などを行いました。
今後、重機などを投入して工事を本格化させていくということです。
パビリオンの着工には、大阪市からの建設許可や民間の検査機関の確認が必要になりますが、大阪市によりますと、▼アイルランドが着工に必要な手続きをすべて終えたほか、▼イタリアやベルギーなど11か国は、市からの許可を得ているということで、こうした国も順次、工事を始めるものとみられます。
ただ、9日時点でまだ半数近くの国は建設会社が決まっておらず、博覧会協会などは来年春の開幕に間に合うよう調整を急いでいます。

【シンガポール担当者コメント】
万博を担当しているシンガポール政府観光局のキャリー・クイック エグゼクティブディレクターは「建設の開始をお知らせできることをうれしく思います。パビリオンの詳細は後日発表します」とコメントしています。

【大阪市長“順次着工整備進める”】
大阪・関西万博で「タイプA」としては初めて、シンガポールがパビリオンの建設工事に着手したことについて、大阪市の横山市長は記者団に対し「非常にうれしく思うし、これから順次、着工していくものと思っている」と述べました。
そのうえで、横山市長は「海外パビリオンの建設スケジュールに遅れはあるとは思うが、開幕には十分間に合うスケジュールで進んでいるものと認識している。市としては、工事が円滑に進むように環境整備や手続きの円滑化を進めていきたい」と述べ、工事車両の渋滞対策などで準備を支援していく考えを示しました。