大阪大などのグループ 体脂肪を増やす働きのたんぱく質を特定

体の脂肪の量は個人差が大きいことが知られていますが、大阪大学などの研究グループは体脂肪を増やす働きのあるたんぱく質をマウスなどによる実験で特定したと発表しました。

大阪大学などの研究グループは、体脂肪の量に個人差がある原因を調べようとヒトやマウスの脂肪の細胞を詳しく解析し、「HSP47」というたんぱく質が多く作られていることに着目しました。
体脂肪の量と関係があるか調べるため、マウスに脂肪が多く含まれたエサを与える実験をしたところ、このたんぱく質の働きが活性化した一方、エサを与えなかったり運動させたりすると働きが抑えられたということです。
さらに、遺伝子操作などによってこのたんぱく質を作れなくしたマウスでは、脂肪の量が通常より20%から30%ほど減少したということで、グループは「HSP47」が体脂肪を増やす働きをしていると結論づけています。
研究当時、大阪大学に所属していたハーバード大学のシン・ジフン研究員は、「『私はなぜ太りやすいのか』という疑問を科学的に説明できる可能性が見えてきた。このたんぱく質の働きを調べることで、患者の生活習慣を改善する指導に応用できる可能性がある」と話していました。