大阪・関西万博の交通混雑対策 時差出勤など来年秋に試験実施

大阪・関西万博の期間中に実施する交通の混雑対策の課題を事前に洗い出そうと、大阪府と市などは、会場周辺の企業などに協力を呼びかけ、来年(2024年)秋に、時差出勤などの取り組みを試験的に行うことになりました。

再来年4月から半年にわたって開催される大阪・関西万博には、国内外から2820万人が訪れると見込まれていて、期間中、鉄道や道路の混雑が予想されています。
この混雑対策を検討する会議が、27日、大阪府と市、博覧会協会、それに経済界などの幹部が出席して、大阪市役所で開かれました。
会議では、混雑の予測として、▼ピーク時には1日最大で22万7000人が訪れ、このうちおよそ7割が午前中に来場することや、▼会場に直結する地下鉄の大阪メトロ中央線は、増便した場合でも午前8時ごろから10時ごろにかけて混雑率が140%に上ることなどが報告されました。
そのうえで、会場の混雑が予想される、▽修学旅行シーズンの6月や、▽駆け込み需要のある8月のお盆以降、さらに、▽最も混雑する見込みの閉幕直前の10月に、会場周辺や中央線の沿線をはじめ、府内の企業に社員の時差出勤やテレワークの活用など、交通量の減少や分散への協力を呼びかけることを確認しました。
来年2月ごろに、この取り組みに協力する企業を登録する制度を設け、来年9月から10月にかけて、事前に課題を洗い出すために試験的に実施してもらうということです。
会議後、吉村知事は「1年後の万博の閉幕時で、ものすごく混雑する時期を想定して、シミュレーションを行う。そういったことを繰り返して情報を共有するとともに実務の対応力を上げていきたい」と話していました。