江戸時代から続く伝統の「名塩紙」生産最盛期  兵庫 西宮

兵庫県西宮市の山あいの地区で、江戸時代から続く伝統の和紙「名塩紙」の生産が最盛期を迎えています。

西宮市北部の名塩地区で生産される名塩紙は、およそ400年の歴史があり、和紙の原料に地元で取れる泥を混ぜてすくことで、破れにくく、色あせないものに仕上がるのが特徴で、神社や仏閣のふすまや壁紙にも使われています。
祖父の代から100年以上、和紙を作り続けている谷野雅信さんの工房では、気温が低くなるこの時期に、和紙の生産のピークを迎えます。
今は、来年3月に奈良の東大寺で行われる伝統行事「修二会」で使用するお札用の和紙作りに追われています。
14日は、谷野さんが和紙の原料を水や泥に混ぜたあと、「すけた」と呼ばれる木の道具を小刻みに動かして、厚さが均等になるように和紙をすいていきました。
そして、できあがった和紙が剥がれないよう慎重に屋外に出して、天日で乾燥させていました。
谷野さんは「名塩和紙の特徴は、ひと言でいうと上品なところだと思います。泥が入っているためしっとりとしていて、上質な紙に仕上がっているので、ぜひ使ってほしいです」と話していました。