車いすから落ちたあと男性死亡 押していた警察官ら書類送検

ことし10月、大阪・西成区で酒に酔って保護された60代の男性を警察署の署員が車いすで自宅まで送る途中、段差で男性が車いすから落ちて頭を打ち、およそ1か月後に死亡しました。
警察は、注意を怠った結果、男性が死亡した疑いがあるとして、担当した署員2人を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。

警察によりますと、ことし10月6日の夜、大阪・西成区の路上で62歳の男性が酒に酔って寝ているのが見つかり、西成警察署に保護されました。
翌朝になっても自力で歩けない状態だったため、署員5人が男性を車いすに乗せて自宅まで送ることになりましたが、途中にあった20センチほどの段差で男性は車いすから落ちて頭を打ち、およそ1か月後に搬送先の病院で死亡しました。
車いすを押していた27歳の男性巡査長が段差を見落としていたということです。
一方、警察によりますと、防犯カメラの映像などから男性は保護される前にも路上で9回転倒し、頭の骨が折れていたことが分かったということです。
捜査の結果、警察は致命傷は特定できなかったとしたうえで、巡査長と責任者の49歳の男性警部補が注意を怠った結果、男性が死亡した疑いがあるとして、2人を22日、業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
任意の事情聴取に対し、いずれも容疑を認めているということです。
大阪府警察本部生活安全総務課の石川嘉嗣 課長は「搬送時に転倒させたことは警察官の注意が足りなかったと考えています。今後、指導教養を徹底したい」としています。