阪大など開発「量子コンピューター」国産3号機稼働へ 関西初

スーパーコンピューターを上回る超高速の計算を可能にすると期待される「量子コンピューター」の国産の3号機を大阪大学などが開発し、22日から稼働させることになりました。
量子コンピューターが関西で稼働するのは初めてで、新たな薬の研究開発などが加速すると期待されています。

これは大阪大学の根来誠 准教授などの研究グループが記者会見で発表しました。
量子コンピューターは原子や電子などの小さな物質、「量子」の世界で起こる物理現象を応用し、スーパーコンピューターが1万年かかる計算をわずか数分で終える超高速の計算を可能にすると期待される次世代の計算機です。
ことし(2023年)に入って、理化学研究所や民間企業が国産の初号機と2号機の運用を始めましたが、新たに大阪大学などのグループが国産の3号機を開発しました。
初号機で使われていた海外製の部品の多くを国産に置き換えているのが特徴で、計算能力は初号機などと同等だということです。
量子コンピューターが関西で稼働するのは初めてです。
22日から大学や研究機関、民間企業が利用できるサービスを始めるということで、新たな薬や材料の研究開発、研究者の育成などが加速すると期待されています。
根来准教授は「量子コンピューターが身近で役立つものに発展していくための土台ができたと思う。実機を使いながら問題点の検証を進めていきたい」と話していました。