宝塚歌劇団 過密な公演日程の緩和 1月から具体策実施へ

宝塚歌劇団に所属する25歳の劇団員が死亡した問題で、歌劇団は、1週間あたりの公演回数を減らすなど、劇団員の過密な公演スケジュールの緩和に向けた具体策を来月(1月)から実施すると発表しました。

宝塚歌劇団の宙組に所属していた25歳の劇団員は、ことし9月、兵庫県宝塚市で死亡しているのが見つかりました。
歌劇団は先月(11月)、いじめやパワハラは確認できなかったとする一方、稽古に加え、新人公演のまとめ役としての長時間の活動などで強い心理的負荷がかかっていた可能性は否定できないとする調査報告書の内容を公表しました。
歌劇団は、報告書の指摘を受けて劇団員の過密な公演スケジュールの緩和などを進めるとしていましたが、15日、ホームページで来月から具体策に取り組むことを明らかにしました。
この中では、▽一部公演の初日の日程を変更したり、▽1週間あたりの公演回数を10回から9回に減らしたりするほか、▽来年1月から3月に予定していた「新人公演」は東京宝塚劇場だけで行い、本拠地の宝塚大劇場での実施を取りやめるとしています。
日程の変更に伴い、すでにチケットを販売している公演については払い戻しに応じるとしています。
宝塚歌劇団は「調査報告書や劇団員へのヒアリングの結果を踏まえて、まずは課題解決に向けた見直しを進めていく必要があると考えました。ほかの課題についても継続して改善に取り組んでいきます」とコメントしています。

【労基署が歌劇団に再立ち入り調査】
宝塚歌劇団は、劇団員が死亡した問題をめぐり、今月(12月)6日に再び西宮労働基準監督署による立ち入り調査を受けたことを明らかにしました。
宝塚歌劇団によりますと、西宮労働基準監督署による立ち入り調査は先月(11月)22日に続いて2回目で、歌劇団の担当者が労働状況について聞き取りを受けたほか、関連する資料を提出したということです。
労働基準監督署は劇団関係者の活動実態をさらに詳しく調べ、法令違反の有無などについて確認を進めるものとみられます。
宝塚歌劇団はNHKの取材に対し、「今後も労働基準監督署から指示があれば適切に対応していきたい」とコメントしています。