文楽「十一代目豊竹若太夫」57年ぶり襲名へ

人形浄瑠璃「文楽」で途絶えていた名跡が57年ぶりに復活することになりました。語り手の「太夫」を務める豊竹呂太夫さんが、来年4月、「十一代目豊竹若太夫」を襲名することになりました。

人形浄瑠璃「文楽」の「若太夫」は、先代の十代目を人間国宝だった豊竹呂太夫さんの祖父がつとめ、「時代物」と呼ばれる歴史上の人物や事件を扱う作品の語りの名手として知られる名跡です。
57年ぶりに「若太夫」の十一代目を襲名することになった呂太夫さんは大阪・岸和田市出身の76歳です。
昭和42年に20歳で「三代竹本春子太夫」に入門し翌年、初舞台を踏みました。
祖父が得意とした「時代物」から庶民の生活を描いた「世話物」までこなす幅広い芸風で知られ去年、太夫の最高位である「切語り」に昇格しました。
大阪市内で会見した呂太夫さんは、「襲名は非常に光栄で責任をひしひしと感じている。若太夫の名に恥じないよう精進していきたい。50年以上かけてやっとわかってきたこともあり、襲名してからも自分の色を出してまだまだ進化できると感じている」と話していました。
襲名披露公演は、来年4月大阪・日本橋の国立文楽劇場で行われます。