大阪・関西万博 参加する国や地域の会議 準備遅れ懸念の声も

再来年の大阪・関西万博に参加する国や地域などの担当者を集めた会議が14日から大阪で始まりました。
自前でパビリオンの建設を予定している国の中からは「建設会社が決まらず、間に合うか心配だ」などと準備の遅れを懸念する声も聞かれました。

大阪・関西万博には、これまでに160の国や地域が参加を表明していて、14日、大阪・北区で開かれた会議には、各国・地域の担当者ら450人が出席しました。
万博をめぐっては、メキシコとエストニアの2か国が撤退することが明らかになったほか、自前でパビリオンを建設する「タイプA」の国のうち、建設会社と契約できた国が半数以下にとどまるなど準備の遅れが表面化しています。
会議では、博覧会協会から日本側の支援策などについて説明が行われたほか、「タイプA」のうち、建設会社が決まっていない国の相談に応じる場も設けられました。
タイプAのパビリオンの建設を予定しているポーランドの担当者は「タイプAのままで進められたらよいが、建設会社を見つけるのがすごく大変で、間に合うか非常に心配だ」と話しました。
また、同じくタイプAを予定しているネパールの担当者は「建設予算は決まっているため、もし許容できる以上に建設資材の価格が上がったら問題になるだろう」と建設コストの上昇を懸念していました。
博覧会協会の櫟真夏 副事務総長は「各国の事情に寄り添い、課題や要請を受け止めながら、解決策を探して出展に向けた準備を進めていきたい」と話していました。

【参加国は】
会議に参加する国のうち、タイプAのパビリオンを建設する予定のドイツの責任者は、「未来へ向けた循環型社会をテーマにしたパビリオンを企画している。建設会社も決まっているし、準備の進捗(しんちょく)状況には満足している。今回の会議では、日本やほかの参加国との実りある議論を期待している」と話していました。
一方、同じくタイプAのパビリオンの建設を予定しているポーランドの政府副代表は、「タイプAのままで進められたらよいが、建設会社を見つけるのがすごく大変で、間に合うか非常に心配だ」と話しました。
また、博覧会協会が参加国に代わって組み立て式の建物を建てる、「タイプX」と呼ばれる方式については「よいアイデアだと思うが、すでに建設工事の入札に向けた手続きを進めているため変更が難しく、もう少し早めに提案してもらいたかった。会議の期間中には懸念点について相談する場も設けられているので、日本側と相談したい」と話していました。
また、「メキシコの撤退の話も聞いたが、メキシコはいつもとても立派なパビリオンを出していたから残念だ。同じようにならないように頑張りたい」とも話していました。
同じくタイプAのパビリオン建設を予定しているネパールの担当者は、「建設会社がまだ決まっていない。これから決める段階で開幕までに間に合うとは思うが準備が遅れている。パビリオンの予算は決まっているため、もし許容できる以上に建設資材の価格が上がってしまったら、博覧会協会が支援してくれるのか話し合う必要がある」と述べました。
そのうえで「建設コストが今より10%以上上がるようなら、パビリオンのタイプを変更することもあるかもしれない」と述べ、コストの膨らみ具合によってはタイプA以外の方式に変更する可能性を示唆しました。

【政府代表“課題直面の国も”】
万博の日本政府代表を務める羽田浩二氏は会議であいさつに立ち、「万博の会場整備も始まるなど、開幕に向けて前進がみられる一方で、パビリオンの建設準備の過程で課題に直面している国があることも承知している。会議の説明や議論を通して各国の出展準備が加速することを期待している。日本政府、大阪府・市、博覧会協会、そして経済界が一体となり、さまざまな課題を克服すべく全力で取り組んでおり、今後も各国の準備を進めるため緊密に連携していく」と述べました。