大阪では絶滅とされた水草「ムサシモ」岸和田で69年ぶり発見

大阪では絶滅したとされていた水草「ムサシモ」が、岸和田市のため池で69年ぶりに見つかりました。
研究者は「市街地にある場所で豊かな自然が回復したことの現れだ」と話しています。

ムサシモは、ため池や水田の中に生える小型の水草です。
絶滅危惧種として環境省のレッドリストに掲載されていて、大阪府内では昭和29年に天王寺公園で採取されたのが最後で、絶滅したとされていました。
水生植物に詳しい新潟大学の志賀隆准教授と、きしわだ自然資料館によりますと、ことし9月に岸和田市内にある農業用水などに使われるため池「久米田池」で調査を行ったところ、ムサシモを発見したということです。
周辺の下水道の整備や地域の清掃活動などによって、ため池の水質が改善していたことが背景にあるとみられていて、大阪府内で見つかるのは69年ぶりです。
志賀准教授は「人の生活の影響を受けやすい市街地にあるため池に豊かな自然が回復したことのあらわれだと思う。後世に残していってほしい」と話していました。