宝塚歌劇団員死亡“長時間業務とハラスメント”謝罪・賠償要求

宝塚歌劇団に所属する25歳の劇団員が死亡したのは長時間の業務と上級生からのハラスメントが原因だったとして遺族の弁護士が記者会見を開き、劇団に対して謝罪と賠償を求めました。

宝塚歌劇団の宙組に所属していた25歳の劇団員は、入団7年目のことし9月に兵庫県宝塚市で死亡しているのがみつかり、自殺とみられています。
遺族の代理人の弁護士が10日、厚生労働省で記者会見を開き、劇団員は劇団と業務委託契約を結んでいて残業時間とされる時間は1か月277時間余りの長時間に達し、労災の認定基準を超えていたことを明らかにしました。
また、上級生からヘアアイロンを額にあてられやけどを負ったり、稽古中に「うそつき野郎」などと暴言を受けたりするハラスメントがあったと主張し、劇団に対して謝罪と賠償を求めました。
遺族の両親は「娘は『どんなつらいことがあっても舞台に立っている時は忘れられる』と言っていたが、つらさは忘れられる量をはるかに超えていました。劇団は娘が何度も助けを求めたにもかかわらず、それを無視してきた。劇団やパワハラを行った上級生が責任を認め謝罪することを求めます」とするコメントを発表しました。
代理人の弁護士は「亡くなった劇団員は労働者と同じように業務にあたっていて劇団が安全配慮義務に違反し、責任があることは明らかだ。上級生との関係は一般の会社以上で異常であったと指摘せざるをえない」と話しました。

【宝塚歌劇団と阪急電鉄コメント】
宝塚歌劇団は「宝塚歌劇団として大変重く受け止めており、ご遺族に対して誠実に対応してまいりたいと思っております。今後、外部弁護士による調査結果を踏まえて、真摯(しんし)に対応してまいる所存です」とコメントしています。
また、宝塚歌劇団を運営する阪急電鉄は「阪急電鉄としても大変重く受け止めています」とコメントしています。

【相談窓口】
不安や悩みを抱える人の相談窓口です。
SNSなどでの相談窓口は、厚生労働省のホームページで紹介していて、インターネットで「まもろうよこころ」で検索することもできます。
URLは、「https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/」です。
電話での主な相談窓口は、
▼「よりそいホットライン」が0120−279−338、
▼「こころの健康相談統一ダイヤル」が0570−064−556となっています。