奈良 “寺社修復用の木材確保に関心を” 森林で体験会

神社や寺などの修復に使われる木材を確保するため、杉やひのきなどを育てている奈良市の森林で、余分な枝を切り落とす体験会が開かれました。

奈良森林管理事務所などは、国宝や国の重要文化財に指定されている、神社や寺の建物などの修復に使われる木材を確保するため、平成16年から今後、数百年かけて奈良市の国有林の一部のエリアで杉やひのきなどを育てています。
こうした取り組みに関心を持ってもらおうと、強い幹を育てるために余分な枝を切り落とす体験会が開かれ、県内外から15人が参加しました。
参加者は、事務所の職員からのこぎりの使い方などの説明を受けたあと、ヘルメットや手袋をつけてさっそく作業にあたり、高さ10メートルほどに育ったひのきの枝を手が届く範囲で一本ずつ丁寧に切り取っていきました。
そして、切り口に虫などが入って病気にならないよう、専用のクリームを塗って保護していきました。
奈良市の70代の男性は、「お寺を見るたびに修復のための木材は足りるのか心配していましたが、少しでも将来につないでいく助けができてありがたいです」と話していました。
奈良森林管理事務所の中井昌之所長は、「文化財を守るためにこうした取り組みが行われていることを多くの人に知ってもらえればと思います」と話していました。