阪神日本一 掛布さん バースさん 吉田さんも祝福

阪神の元4番バッターで「ミスタータイガース」と呼ばれた掛布雅之さん(68)は、現役時代に経験して以来となる38年ぶりの日本一について「長かった。岡田監督と選手、ファンにありがとうと伝えたい」と心境を話しました。

掛布さんは現役時代に阪神一筋でプレーし、通算349本のホームランを打って「ミスタータイガース」と呼ばれ38年前の1985年には、ランディ・バースさんと岡田彰布監督とともに甲子園球場のセンターへ3者連続ホームランを記録するなど4番として活躍し、チーム初の日本一に貢献しました。
この時以来となる2回目の日本一を受けて「長かった。38年は長いなと感じた。岡田監督が日本一になったことはすばらしいことだ。これまでの監督から受け継いできたものがあり、それを結実させたことだと思う」と笑顔を見せていました。
一方、38年前の日本一については「それはもう過去のこと。いまの選手がすごかった。いまの話をしよう」と話題を切り替えました。
岡田監督の日本シリーズでの指揮については「ゲームを読む力と決断力があり、勝負のために非情になれるところが優れていたと思う。例えばバッティングが不調だった佐藤輝明選手の打順を第3戦までの5番から7番に下げるなど、短期決戦での非情とも思える起用にすごさを感じた」と褒めていました。
最後に岡田監督や選手たちへのメッセージとして「今シーズンは岡田監督と選手、そしてファンが一緒に戦っていた。すべての人たちへ同様にお疲れさまとおめでとう、そして、ありがとうと伝えたい」と話していました。

【バースさん“やっと2回目”】
プロ野球、阪神が日本一を決めたことについて、前回、38年前に三冠王に輝き、球団初の日本一に貢献したランディ・バースさん(69)は「やっと2回目の日本一になってとてもうれしい。ファンも38年間、ずっと待っていたと思う」と喜びを語りました。
バースさんは1985年(昭和60年)から2年連続で三冠王を獲得し、1985年には日本シリーズで3試合連続でホームランを打つなどの活躍で日本一にも大きく貢献し、“阪神史上最高の助っ人(と)”と呼ばれるなど、多くのファンに親しまれた強打者でした。
バースさんは阪神が38年ぶりに日本一を決めたことを受けて、アメリカ・オクラホマ州で現地時間の5日、NHKのオンライン取材に応じ、「阪神がやっと2回目の日本一になってとてもうれしい。ファンも38年間、ずっと待っていたと思う。次に阪神が日本一になった時に取材を受けるのは、僕や岡田さん、真弓さんではなく、今の選手たちだね」と笑顔で話しました。
岡田監督に対しては「2005年にあと一歩で果たせなかった日本一を達成してすばらしい監督だと改めて感じた。正しい決断で本当にいいチーム作りをしてすごい仕事をやってくれた。来年、また日本一になってください」とねぎらいのことばを贈っていました。
そして阪神ファンに向けて「本当におめでとうございます。勝っても負けても球場に足を運んだ阪神ファンは世界一だと思う。若い人たちにとって阪神の日本一は初めてだったと思うが、これからも応援を続けてほしい」と話していました。

【吉田さん“集大成の見事な勝利”】
阪神の元選手で前回、日本一になった当時、監督を務めていた吉田義男さんは「1年の集大成の見事な勝利だった」とたたえました。
吉田義男さんは、1985年に阪神の監督としてチームを指揮し、今の監督で当時の岡田彰布選手などを擁する強力打線を持ち味に球団初の日本一に導きました。
また、59年前の“関西対決”の日本シリーズには阪神の選手として出場しました。
吉田さんは阪神が38年ぶりの日本一になったことを受けて「ペナントレース、クライマックスシリーズ、それに日本シリーズの集大成の見事な勝利だった。岡田監督の采配がひときわ光っていて、選手全員の力を引き出した」とたたえました。
59年ぶりの関西対決については「第7戦まで両チームともよく頑張り、関西を盛り上げてくれて本当にありがとう。これからも関西のオリックスと阪神が頑張ることで、プロ野球を盛り上げていってほしいと思う」と話しました。
岡田監督に向けては「監督と選手という関係でしたが、苦楽をともにした仲間が脚光を浴びてくれて非常にうれしい。これから阪神がプロ野球をリードしていくチームになってほしいし、それをできるのが岡田監督だと思う。とにかく健康に気をつけてもらいたい」と話していました。

【赤星さん“まだまだ若いチーム”】
2001年から2009年まで9シーズン阪神でプレーし、1年目の2001年から5年連続で盗塁王を獲得し、ことしの春のキャンプでは臨時コーチも務めた赤星憲広さんは阪神の日本一について「38年ぶりの日本一おめでとうございます。今年のキャンプから徹底してやり続けたことをシーズンでも発揮し、この日本シリーズでも同様に変わらぬ野球ができた結果だと思います。まだまだチームは若いので、もっともっと強いチームを作り上げてほしいと思います」とコメントしました。

【岩田さん“本当ようやった”】
阪神一筋16年でおととし現役を引退した岩田稔さんは、日本一の瞬間を京セラドーム大阪のバックネット裏の客席から見守りました。
岩田さんは、「一緒にプレーしたメンバーたちが日本一という歴史的瞬間を見せてくれて本当にうれしい。選手たちには『本当にようやった』と伝えたい」と興奮気味に話しました。
かつて指導を受けた岡田彰布監督がチームを日本一に導いたことについては、「父親と同年代であり、現役のときからことばの重みを感じながらプレーしていた。本当は自分が現役として胴上げしたかった気持ちもあるが、日本一の監督になってとてもうれしい」と話していました。
日本一がかかる大一番で先発し、5回途中無失点に抑えた青柳晃洋投手については、「本当に内容がよかった。一人ひとりのバッターとしっかり勝負できていた。最後にこういうチャンスが来てものすごい緊張感の中で実力を出しきったと思う」とたたえました。
そして、「投手陣も野手陣もいい経験を積んだ。若い選手も多く、僕はこれからタイガースの黄金期が来ると信じている」と期待を寄せていました。