甲子園でPV ファン1万人が歓喜 トラのおばちゃんも涙

プロ野球、日本シリーズ第7戦のパブリックビューイングが阪神の本拠地、甲子園球場で行われ、38年ぶりの日本一に1万人を超えるファンが「六甲おろし」を歌うなどして喜びを分かち合いました。

甲子園球場では、阪神の38年ぶりの日本一がかかった京セラドーム大阪での日本シリーズの第7戦の応援をしてもらおうとパブリックビューイングが行われました。
スタンドにはユニフォームを着たファンなど1万2千人余りが詰めかけ、阪神の攻撃の際には得点が入るたびに大きな歓声が上げて、立ち上がって両手を上げたりタオルを掲げたりして喜んでいました。
そして9回、抑えの岩崎優投手が最後のバッターを抑え、阪神の38年ぶりの日本一が決まると、訪れたファンは総立ちで歓声をあげて喜び、中には涙を流す人の姿も見られました。
その後も岡田彰布監督の胴上げの瞬間にバンザイをしたり「六甲おろし」を歌ったりして日本一の喜びをわかち合っていました。

【トラおばちゃんも歓喜の涙】
熱狂的な阪神ファンで、「トラのおばちゃん」として知られる、兵庫県尼崎市の引田孝子さん(79)は、阪神が38年ぶりに日本一を決めたことに涙を流して喜んでいました。
引田さんは、20年ほど前から派手な衣装を身にまとい阪神の応援を続けていて、5日もみずからが経営する飲食店で、テレビを前に常連客らとともに熱い声援を送りました。
そして、阪神がオリックスに勝ち38年ぶりの日本一を決めると店内は大きな拍手に包まれ、引田さんは、涙を流して喜びをあらわにしていました。
引田さんは「待ちに待った日本一で、本当にうれしいです。岡田監督をはじめ選手の皆さんもいろいろと苦労があったと思いますが、頑張り続けたからこそきょうの結果につながったのではないでしょうか。また来年も日本一を期待して応援します」と話していました。

【尼崎の商店街でも喜びの声】
プロ野球の阪神が38年ぶりの日本一を決めたことを受けて、熱狂的なファンが多い尼崎市の商店街などでは喜びの声が聞かれました。
阪神電車の尼崎駅前や、近くにある「中央三丁目商店街」では、試合を観戦していたファンたちが集まり、万歳をしたり「六甲おろし」を合唱したりして喜びを分かち合っていました。
自宅で観戦していたという20代の男性は、「日本一の瞬間を見ることができてとてもうれしいです。ファンのみんなと一緒に祝いたいと思います」と話していました。
40代の男性は「ことし7月に若くして亡くなった横田慎太郎選手の分まで頑張って勝ち取った日本一だと思います。本当におめでとうございます」と話していました。
また、妻と娘2人と一緒に試合を観戦していたという40代の男性は、「岡田監督の笑顔を見た瞬間、涙が止まりませんでした。選手の皆さんもすごかったです。きょうは自分の誕生日ですが、最高の誕生日プレゼントをもらいました」と目に涙を浮かべながら話していました。

【大阪で新聞号外】
また、大阪では新聞の号外が配られ、受け取ったファンから喜びの声が聞かれました。
JR大阪駅前では、5日午後11時ごろから「38年ぶり日本一」という見出しが書かれた号外が配られました。
号外を受け取った20代の男性は、「最高です。生きていて良かったと思います。本当に選手たちにありがとうと伝えたいです」と話していました。
20代の女性は、「阪神おめでとう、本当にうれしいです。来年も日本一を狙えるように頑張ってください。応援しています」と笑顔で話していました。
20代の男性は、「甲子園球場のパブリックビューイングで見ていて、ノイジー選手がスリーランホームランを打ったシーンが心に残ってます。2年連続で日本一を目指してほしいです」と話していました。

【道頓堀で喜びの声】
阪神が日本一を決め、大阪・ミナミの道頓堀では、集まったファンから喜びの声が聞かれました。
三重県から訪れた70代の男性は「きょう阪神が勝てるかわからなかったけど、喜びを分かち合うために大阪に来ました。感無量でこの喜びはなんとも言い表せません。ここまで本当に長かったです。まだ実感がわきませんが、こんなにうれしいことはありません。阪神が強すぎました」と話していました。
岡山県から訪れた52歳の男性は、「きょうのチケットが取れなかったのですが、どうしても優勝の瞬間を味わいたくて来ました。ここまで楽しい思いをさせてくれた阪神には感謝しかないです。2連覇も期待してます」と話していました。
また、家族4人で道頓堀を訪れていた20代の娘は、「生まれた時から阪神ファンです。亡くなった祖父もファンで、この瞬間を一緒に喜んでくれていると思います。あしたから仕事ですが、阪神のおかげでがんばれそうです」と話していました。

【近本選手活躍に地元歓喜】
阪神の近本光司選手の出身地、兵庫県淡路市では、パブリック・ビューイングに地元のファンが集まり喜びを分かち合いました。
淡路市の施設には、大型のスクリーンが設置され、近本選手が卒業した小中学校で野球をしている子どもたちや地元のファンなどおよそ120人が集まりました。
多くの人は、近本選手のレプリカのユニフォームを着ながら声援を送り、阪神が38年ぶりの日本一を決めると、一斉に立ち上がって喜び、ハイタッチをしたり抱き合ったりして喜びを分かち合っていました。
近本選手は5日も4安打を放つ活躍で日本一に大きく貢献し、日本シリーズのMVP=最高殊勲選手に選ばれました。
近本選手がかつて所属していた地元の野球チームの小学5年生の男の子は、「日本一になってくれてすごくうれしいです。将来は近本選手のようにヒットをたくさん打てる選手になりたいです」と話していました。
市内に住む40代の女性は、「日本一を決めた試合で近本選手がヒットを打ってくれたので満足です。来年、ぜひ連覇してほしいです」と話していました。

【坂本選手の兄“家族の誇り”】
阪神の坂本誠志郎選手の出身地、兵庫県養父市では、パブリック・ビューイングが行われ、坂本選手の家族やかつて所属していた野球チームの当時のメンバーなどが集まり、大型のスクリーンを前に大きな声援を送りました。
兵庫県養父市にある地元企業の広間では5日、パブリック・ビューイングが行われ、坂本選手の両親と兄、それに、坂本選手がかつて所属していた野球チームの当時のメンバーなど合わせておよそ50人が集まり、大型のスクリーンで試合を観戦しました。
試合が始まると集まった人たちはメガホンを打ち鳴らしながら大きな声援を送り、阪神が38年ぶりの日本一を決めると、一斉に立ち上がって歓声をあげていました。
坂本選手の兄の剣志郎さんは、「相当なプレッシャーの中で戦ってきたと思うので、今は『お疲れさま』、『おめでとう』と言ってあげたいです。弟は家族の誇りです」と話していました。
また、坂本選手の地元後援会の大林賢一会長は「感動の瞬間を地元の人たちと共有できてよかったです。坂本選手の活躍は地域に夢や希望を与えてくれました」と話していました。

【大阪知事“日本一おめでとう”】
大阪府の吉村知事は旧ツイッターの「X」に「阪神タイガース、38年ぶり日本一、おめでとう。文句なしの強さ。ここ一番で打線は必ず繋がる。オリックス・バファローズは連覇はならなかったが、本当に素晴らしい戦いでした。感動をありがとう」と投稿しました。

【兵庫知事“パレード準備進める”】
兵庫県の斎藤知事は、「阪神タイガース38年ぶりの日本一、本当におめでとうございます。59年ぶりの関西対決で、歴史的なシリーズにふさわしい手に汗握る展開となった。両チームの健闘をたたえる優勝記念パレードを開催し、たくさんの方々が安全に喜びを分かち合うことができるよう準備を進めている。スポーツのもつチカラを、地域の活性化につなげていくため、今後ともしっかりと取り組んでいく」というコメントを発表しました。