紙おむつの処理で負担軽減の可能性 阪大グループが新技術発表

大阪大学の研究グループは、紙おむつに使われている水分を吸収する素材をとうもろこしのデンプンなどで作製することに成功したと発表しました。
デンプンから作った素材は環境中で分解されるため、ゴミとして処理する際の負担の軽減につながる可能性があると期待されています。

環境省などによりますと、紙おむつの生産量は国内で年間235億枚にのぼり、ゴミとして排出される量はおよそ220万トンと一般廃棄物の5%余りを占め、効率的な処理が課題となっています。
大阪大学の宇山浩教授らのグループは、紙おむつなどに使われている水分を吸収する素材、「吸水性ポリマー」をとうもろこしのデンプンなどで作製することに成功しました。
従来の紙おむつには合成樹脂が使われていて、ゴミとして焼却する際に時間やコストがかかりますが、デンプンで作った素材は微生物によって環境中で分解されるため、ゴミとして処理する際の負担の軽減につながる可能性があるということです。
一方、今回開発したデンプンの素材は吸収できる量が従来の半分程度だということで、宇山教授は「この素材を実用化できれば資源の循環に役立つとともに一般廃棄物を減らすことにもつながる。さらに性能を高められるよう研究を続けたい」と話していました。