京都 ＡＬＳ患者嘱託殺人などの罪 元医師に懲役６年求刑

４年前（２０１９年）、難病のＡＬＳを患う京都市の女性を本人からの依頼で殺害した罪などに問われ、無罪を主張している４６歳の元医師の裁判で、検察は「被害者に自殺感情があったとしても、被告たちの身勝手なタイミングで殺害した」などとして懲役６年を求刑しました。

元医師の山本直樹被告（４６）は医師の大久保愉一被告（４５）とともに４年前、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病のＡＬＳを患っていた京都市の林優里さん（当時５１）から依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人などの罪に問われています。
これまでの裁判で山本被告は、林さんの自宅に滞在したが、共謀も実行もしていないとして無罪を主張しています。
京都地方裁判所で開かれた１７日の裁判で、検察は「重大犯罪の犯行現場に同行する相手に計画を一切伝えないことは考えられない。被害者に自殺感情があったとしても、被告たちの身勝手なタイミングで殺害するなど悪質な行為だ」として懲役６年を求刑しました。
一方、弁護側は「結果的に見張りの役割を果たすことにはなったが、大久保被告が何をするか分からない状態だった」などとして、改めて無罪を主張しました。
また、山本被告は「大久保被告と一緒にやったと言われるのは到底納得いかない。証拠に基づいて判断してほしい」と述べました。
判決は１２月１９日に言い渡される予定です。
一方、大久保被告の裁判の日程は、まだ決まっていません。