関電の株主 カルテルでの損害賠償を当時の役員らに求め提訴

事業者向けの電力販売をめぐり、関西電力が大手電力会社とカルテルを結んでいた問題で、関西電力の株主が、当時の役員などに対してカルテルによって生じた損害としておよそ3500億円を関西電力に支払うよう求める訴えを起こしました。

公正取引委員会は、ことし3月、関西電力が、中国電力や中部電力などと顧客を奪い合わないよう申し合わせるなどカルテルを結んでいたとして、関西電力を除く各社にあわせて1000億円余りの課徴金の納付を命じました。
関西電力は、調査前に自主申告したため、課徴金を免除されています。
これについて、関西電力の株主26人は、カルテルによって生じた会社の損害が、社内調査の費用や高値で電気代を支払っていた顧客に対する賠償などおよそ3500億円に上るとして、12日、当時の役員など12人に賠償を求める訴えを大阪地方裁判所に起こしました。
訴えによりますと、当時の役員などは、カルテルが結ばれることを認識できたのにもかかわらず、見過ごしたため損害が生じたなどとしています。
株主の弁護団の河合弘之 弁護士は「経営陣が主導してほかの電力会社を巻き込んでおきながら、自主申告で課徴金を逃れているのは道義的も責任がある」と話していました。
この問題をめぐっては、中国電力や中部電力、それに九州電力の株主も12日、同様の株主代表訴訟を起こしています。

【関西電力“内容確認して検討”】
関西電力は「株主からの訴訟告知書が届けば内容を確認し、会社として訴訟への対応について検討していく」とコメントしています。