神戸5人殺傷事件 無罪確定の男性に鑑定入院命令 神戸地裁

6年前、神戸市で祖父母など5人を死傷させたとして殺人などの罪に問われ、2審の大阪高等裁判所が「心神喪失の状態だった疑いが残る」と判断し、無罪の判決が確定した男性について、神戸地方裁判所が医療観察法に基づき適切な医療を受けさせるための鑑定入院を命じたことが関係者への取材でわかりました。

神戸市北区の32歳の男性は、平成29年7月、自宅などでいずれも83歳の祖父と祖母、それに近所の79歳の女性を包丁で刺すなどして殺害し、母親や別の近所の女性にも大けがをさせたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われました。
先月(9月)25日、2審の大阪高等裁判所は「事件当時、男性は心神喪失の状態だった疑いが残る」などとして1審の神戸地方裁判所に続いて無罪を言い渡し、10日までに検察が上告せず、無罪が確定しました。
関係者によりますと、神戸地方検察庁は、この男性について、医療観察法に基づき適切な医療を受けさせるための申し立てを神戸地方裁判所に行い、裁判所は11日、鑑定入院の命令を出したということです。
男性はすでに医療機関に入院しているということで、今後、精神状態が調べられ、裁判官と医師の合議などによって入院や通院による治療が必要かどうかの判断が行われることになります。