大阪医療刑務所新病棟 受け入れは病床の約4分の1 医師不足

専門的な治療が必要な受刑者などを受け入れる大阪・堺市の大阪医療刑務所は、去年、病棟が建て替えられてベッドも増えましたが、先月(9月)末の時点で210あるベッドの4分の1ほどしか受け入れができていないことがわかりました。
治療にあたる医師の不足が主な原因で、刑務所では医師の確保に努めたいとしています。

堺市にある大阪医療刑務所は、国内に4か所しかない医療刑務所の1つで、西日本の刑務所を中心に全国から専門的な治療を必要とする受刑者などを受け入れています。
1974年の開所以来、およそ半世紀ぶりとなる建て替え工事が進んでいて、このうち新しい病棟はすでに完成し去年12月から受刑者などを受け入れていますが、先月(9月)末の時点で210あるベッドのうちおよそ4分の1にあたる51人しか受け入れができていないということです。
主な理由は、治療にあたる医師の不足で、常勤の医師は定員19人のうち3分の1が欠員となっています。
このため、受け入れの依頼の3件に1件は断らざるを得ない状況となっていて、建て替えに伴って増やした透析の設備も専門の医師が足りず十分稼働できていないということです。
大阪医療刑務所の市川昌孝 所長は、「医療刑務所で受け入れられない場合、一般の病院に移送することになり、警備などのために人手とコストがかかる。また、受刑者の病気をきちんと治療して社会に戻すことが再犯の防止にもつながるので、引き続き医師の確保に努めたい」と話していました。