大阪地裁で水俣病認定判決 原告らが国に早期救済の要望書提出

水俣病と認定されておらず、救済策の対象にもならなかった人たちが、国や熊本県、それに原因企業に賠償を求めた裁判で、大阪地方裁判所が27日、原告全員を水俣病と認定した判決を受け、原告たちが28日、国に対し早期の救済を求める要望書を提出しました。

水俣病をめぐっては、平成21年に成立した特別措置法による救済の対象外となった人たちなどが、全国4か所で国などに賠償を求める集団訴訟を起こしています。
このうち、大阪地方裁判所で27日、初めての判決が言い渡され、関西などに住む128人の原告全員を水俣病と認め、国などに賠償を命じました。
判決を受けて28日、原告や弁護団などが環境省を訪れ伊藤大臣宛てに、「水俣病の公式確認から67年という長い年月が経過したにもかかわらず、被害補償を求める訴訟が相次ぐ異常な事態が続いている。国はみずからの加害責任を自覚し、すべての水俣病の被害者を一日も早く救済する手だてを講じるよう要請する」とした要望書を担当者に手渡しました。
参加者からは「原告の平均年齢は70歳を超えている」などとして、「国には控訴を断念してほしい」という声があがり、環境省側は、「判決内容を精査しつつ、関係者と対応を協議している」と答えていました。
要望のあと、大阪の裁判の徳井義幸 弁護団長は、「控訴により裁判を引き延ばすことは、非人道的であり、国は今までの過ちを転換する決断をしてほしい」と話していました。