沖縄からの遺骨 返還を大学側に求める訴え 大阪高裁も棄却

琉球王国時代の子孫にあたるとする人たちが、昭和のはじめに京都帝国大学の研究者が沖縄県の中世の墓から研究目的で持ち帰った遺骨の返還を大学側に求めた裁判で、大阪高等裁判所は「遺骨の返還を請求する権利はない」などとして、訴えを退けました。

沖縄県今帰仁村にある百按司墓に葬られていたとされる琉球王国時代の有力者の子孫にあたるとする人など4人は、昭和3年以降、当時の京都帝国大学の研究者がこの墓から研究目的で持ち帰った遺骨26体を、いまも大学側が保管しているのは不当だなどとして、返還を求める訴えを起こしていました。
1審の京都地方裁判所は、去年4月、訴えを退け、原告側が控訴していました。
22日の判決で大阪高等裁判所の大島眞一 裁判長は「遺骨の所有権は、慣習に従うと祖先をまつる人にあるもので、原告に所有権があるとは認められない。また、遺骨を原告に受け継がせることが地域の総意とも認められず、返還を請求する権利はない」などとして訴えを退けました。
一方で、今後の解決に向けて、大島裁判長は「持ち出された遺骨はふるさとに帰るべきであるが、訴訟による解決には限界がある。今後、関係者で話し合い適切な解決への道を探ることが望まれる」と指摘しました。