オリックスがパ・リーグ3連覇 阪急時代含め15回目の優勝

プロ野球、オリックスは20日夜、ロッテに6対2で勝って前身の阪急時代も含めて3年連続15回目のパ・リーグ優勝を果たしました。
パ・リーグでの3連覇は1990年から5連覇を果たした西武以来で、オリックスとしては1975年から4連覇を果たした前身の阪急以来となる46年ぶりです。

オリックスは優勝へのマジックナンバーを「2」として、京セラドーム大阪で2位・ロッテとの直接対決に臨みました。
試合はオリックスの先発、山崎福也投手が5回までに2点を奪われ追う展開となりました。
それでも7回、ツーアウト二塁の場面で6番・杉本裕太郎選手のタイムリーヒットで1点を返し、さらに同点として、チャンスで9番・野口智也選手のタイムリーで勝ち越しました。
オリックスは打線がつながり、この回、一挙に6点を挙げました。
オリックスは6対2で勝ち前身の阪急時代も含めて、3年連続15回目のリーグ優勝を果たしました。
パ・リーグでの3連覇は1990年から5連覇を果たした西武以来です。
またオリックスとしては1975年から4連覇を果たした前身の阪急以来となる46年ぶりとなります。

【優勝の瞬間 球場は】
オリックスがリーグ3連覇を決めた瞬間、満員の京セラドーム大阪は3万5619人のファンの大歓声に包まれました。
マウンドで中嶋監督の胴上げが行われると、多くのファンが「ありがとう」などと歓声を送りながら、スマートフォンで写真や動画を撮ったり、笑顔で拍手をしたりしていました。
そして中嶋監督や選手たちが「CHAMPIONS」と映し出された大画面を背景にパ・リーグ優勝のペナントを持って、3連覇を示す指を3本立てるポーズなどをしながら笑顔で記念撮影をしていました。
このあとユニフォームからTシャツに着替えた選手たちは、選手会長の杉本裕太郎選手の「クライマックスシリーズも全員で勝つ!」という音頭で、一斉にクラッカーを鳴らしスタンドのファンと一体となって喜びを分かち合いました。
マウンド付近からライトの方向に歩き出し、ライトスタンドの前で一度、立ち止まって全員で3回バンザイをしました。
そしてファンに笑顔で手を振りながら球場を1周し、この間、球場に詰めかけたオリックスファンはタオルを振るなどしながら優勝の喜びをかみしめていました。

【球場のファン 喜びの声】
オリックスの優勝を球場で見届けたファンからは喜びの声が聞かれました。
京都から観戦に訪れたという男性は「3連覇、ありがとうございます。弱かった時を知っているし、ずっと前から待ち望んでいたので、強いオリックスは最高です。選手の全てを把握して起用する中嶋監督もすばらしい監督だと思います」と話していました。
孫と夫婦で観戦した70代の女性は「最高の気持ちでこんな幸せはないです。日本シリーズも勝ってまた優勝してほしいです」と話していました。
また阪神の優勝も球場で見たという10代の男女は「オリックスと阪神の両方の優勝を見ることができてよかったです。グラウンドに飛び込んでみんなとハグしたいくらい最高でした。阪神も好きなので関西ダービーを見たいです」と話していました。

【飲食店でファンが歓喜】
大阪市内の飲食店では、集まったファンがオリックスのリーグ3連覇を見届け、優勝の喜びを分かち合いました。
大阪・北区にある飲食店では、20日夜、オリックスの前身の阪急以来となる46年ぶりのリーグ3連覇を見届けようと、ユニフォームを着たファンなど20人余りが集まりました。
集まった人たちはテレビで試合を見守り、オリックスが失点した場面では悔しそうな表情を見せていましたが、7回に逆転した場面では歓声をあげたり笑顔で拍手をしたりするなどしていました。
そしてリーグ3連覇を決めると大きな歓声が上がり、ハイタッチを交わしたりタオルを掲げたりするなどして、喜びを分かち合っていました。
オリックスを長く応援している60代の男性は「感無量ですが、これからは慣れると思います。あと3年くらいは強いオリックスが続くと思います」と話していました。
また30代の男性は「優勝の瞬間は何度見てもうれしいです。セ・リーグの阪神と日本シリーズができるのを願っています」と話していました。

【中嶋聡監督の談話】
中嶋聡監督は優勝の記者会見で「実感というか、胴上げが終わって勝ったなという感じだ。ホームでの胴上げを目標にやっていたし、実現できてうれしい」と心境を語りました。
7回、ツーアウトから一挙6点をあげた打線については「奇跡のようなつながり方で、あそこまで連打が出るとは思わなかった。突出した数字はなかったが、1回、つながりだしたらすばらしい打線になるし、ここに来て調子がよくなった選手もいる」と満足そうに振り返りました。
2位に14.5ゲーム差をつけたことについては「ゲーム差は何も思わない。どこも強かったし、苦しい戦いばかりだった。選手が頑張ってくれて、一つ一つ、目の前のゲームに勝ってくれたことが結果につながった」と選手たちをたたえました。
リーグトップの14勝を挙げているエースの山本由伸投手については「数字どおりすばらしいピッチングだった。コンディションがそろわないときもあったが、最低限の仕事をしてくれて、失点を少なくしてくれたことが結果につながった」と活躍をねぎらったうえで、ほかの投手陣で活躍が目立った選手を聞かれると「挙げるときりがない」と防御率リーグトップの投手陣を高く評価しました。
そして、3連覇の要因について質問されると「3連覇はできるとちょっと思っていたが、強くは思っていなかった。選手がどんどん成長するなかで自分たちで考える野球をやってくれた結果がいい方向にいった。選手の頑張りだと思う。頑張っているので起用したくなる」と選手をたたえることばを繰り返していました。

【山本由伸投手の談話】
優勝の記者会見でエースの山本由伸投手は「ほかのチームとのゲーム差はあったものの、1試合、1試合、緊迫した試合が続いていたので、うれしい気持ちとほっとした気持ちだ」と心境を語りました。
今シーズンのピッチングについて「いい登板もあれば負けてしまう登板も何試合かあった。いいところも悪いところもたくさん出たと思う。これから最後までしっかりと腕を振りたい」と話しました。
今後のクライマックスシリーズや日本シリーズを見据えて「この勢いに乗って勝ち抜いて、監督をもう一度、胴上げできるように頑張りたい」と意気込んでいました。

【杉本裕太郎選手の談話】
選手会長で、20日の試合では7回に追い上げのタイムリーヒットを打った杉本裕太郎選手は「個人的に苦しんだシーズンだったが、最後に胴上げしてもらえると思っていなかった。幸せすぎて、『我が生涯に一片の悔いなし』と思った」とファンであると公言している漫画「北斗の拳」のキャラクター、ラオウのセリフをまねながら心境を語りました。
7回のタイムリーヒットについては「声援がすごく大きかった。ふだんは打席で声援が大きいとは感じないが、あの打席は耳に入ってきて打てる気がした」と振り返りました。
そして、次のクライマックスシリーズに向けては「どこが勝ち上がってきても強い相手なので油断せずに1つ1つ戦っていきたい」と意気込んでいました。

【頓宮裕真選手の談話】
打率リーグトップの頓宮裕真選手は「めちゃめちゃうれしい。大阪で決められてうれしい」と笑顔で心境を語りました。
バッティングが好調の要因については「自分のできることだけを一生懸命やろうと決めていたので、それがいい方向にいって結果が出た。毎日、同じ意識で、同じ練習をしていたことで調子の波がなくなった。打率も残せて長打も打てて最高だ」と明かしました。
タイトル争いについて質問されると「ゴールデングラブ賞のことですか?」と笑顔で答えたあと「首位打者は意識していなかったが、とれたらうれしい」と意気込みを示していました。

【森友哉選手の談話】
西武から移籍1年目で優勝を決めた森友哉選手は「オリックスでの優勝はまたちょっと違う感覚だが、両方とも嬉しい」と喜びを口にしました。
今シーズンの活躍については「満足いく結果ではなかったが、移籍して1年目でチームに貢献することができたのはよかったのかなと思う。毎打席、集中はするが、得点圏やチャンスはより集中して絶対に決めてやるという気持ちは、常に持ちながら打席に立っている」と振り返りました。
また大リーグ・レッドソックスで活躍している吉田正尚選手が抜けたシーズンだったことについて「自分1人で穴を埋められるわけないと思ったので、全員で穴を埋めようと思っていた」と述べました。
最後に次のクライマックスシリーズに向けて「まだあまり考えていない。とりあえず今、ほっとしている。西武では2回とも日本シリーズに行くことができていないので、今回は勝って日本一になりたいと思う」と意気込みを語っていました。

【祝勝会で監督・選手は】
プロ野球、パ・リーグで3連覇を果たしたオリックスは、20日夜、京セラドーム大阪で祝勝会を行いました。
中嶋聡監督は冒頭のあいさつで「本当に皆さんのおかげでここまで来られた」と選手たちをねぎらいました。
大阪市の京セラドーム大阪で行われたオリックスの祝勝会では、選手たちが3連覇を記念するTシャツと帽子を身につけて参加しました。
はじめに中嶋監督が冒頭のあいさつで「本当に皆さんのおかげでここまで来られた。最高だ。日本一になって、アメリカのラスベガスまで行きましょう」と選手たちに呼びかけました。
このあと選手会長の杉本裕太郎選手が、ファンであると公言している漫画「北斗の拳」のキャラクター、ラオウをイメージした衣装を着て壇上にあがり、かけ声に合わせてビールかけが始まりました。
祝勝会では、ふだんは冷静な中嶋監督が、頓宮裕真選手からビールをかけられるなどして、満面の笑みで3連覇の喜びを分かち合っていました。

【オリックス 井上オーナーのコメント】
リーグ3連覇を果たしたオリックスの井上亮オーナーは球団を通じて「リーグ3連覇を達成し、まずファンの皆様の応援に感謝申し上げたいと思います。今シーズンはホーム球場だけでなく、ビジター球場にも本当に多くのファンの方が応援に来てくださり、チームにとっても大きな支えになりました。どのような状況にあっても、チームの力を結集し勝利を積み重ね、3連覇へと導いた中嶋聡監督の手腕に敬意を表するとともに、選手たちの努力、コーチ陣、チームスタッフのサポートにも賛辞をおくりたいと思います。ここからは短期決戦、日ごろのチーム力を思う存分発揮して、日本シリーズ連覇を達成することを願っています」というコメントを出しました。

【オリックス 宮城大弥投手は】
ここまで10勝を挙げている宮城大弥投手は、19日に体調不良で1軍の出場選手登録を抹消され、20日の胴上げや祝勝会には参加できませんでした。
球団を通して「自分が先発ローテーションをまわらせてもらうようになってから3年連続で優勝できて本当にうれしく思う。次の目標は2年連続の日本一なので、体調回復に努め、早く復帰できるように頑張る。チームのみんなとこの瞬間に一緒にいられなくて正直、とてもさみしい」とコメントしています。

【オリックス 山下舜平大投手は】
今シーズン、プロ初登板で開幕投手を務め、ここまで9勝を挙げているプロ3年目の21歳、山下舜平大投手は球団を通じて「チームの目標だったリーグ3連覇を達成することができて、とてもうれしく思う」とコメントしました。
腰の張りを訴えて先月(8月)下旬に1軍の出場選手登録を抹消されていて、「胴上げの瞬間に立ち会えなかったことは残念に思うが、ことしは少しでもチームの戦力として戦うことができたので、去年とはまた違った喜びを感じている。これからクライマックスシリーズ、日本シリーズとまだまだ続くので、少しでも早く復帰してまた戦力として戦えるようにリハビリを頑張りたい」としています。

【元オリックス 大リーグの吉田正尚選手も祝福】
優勝を祝うセレモニーでは、昨シーズンまでオリックスの打線の中心を担い、今シーズンから、大リーグ・レッドソックスで活躍している吉田正尚選手からのメッセージが大型スクリーンに映されました。
スタンドのファンから大きな歓声が上がるなか、吉田選手は「リーグ3連覇、おめでとうございます。日本一、2連覇に向けてクライマックスシリーズ、日本シリーズとまだまだ厳しい戦いが続くと思いますが、ことしも『全員で勝つ』で最後まで戦い抜いてください」と祝福のメッセージを送りました。
そして「最後になりますが、頓宮選手、ずる休みをしないで首位打者とってください。陰ながら応援しています」とユーモアも交えて、体調不良で1軍の出場選手登録を抹消されている打率リーグトップの頓宮裕真選手にエールを送っていました。

【プロ野球コミッショナー談話】
オリックスの3年連続のパ・リーグ優勝を受けてプロ野球の榊原定征コミッショナーは、「3年連続15度目のリーグ優勝に輝いたオリックス・バファローズならびにファンのみなさまに心よりお祝いを申し上げます。盤石な投手陣を最大の武器にシーズン中盤から首位を独走し、他球団の追随を許さない見事な戦いぶりでした。パ・リーグ3連覇の偉業達成に心から賛辞をお贈りするとともに、このあとに控えるクライマックスシリーズにおいても多くのファンを魅了する熱戦が繰り広げられることを期待しております」とコメントしました。