「ベーチェット病」の原因物質特定 阪大の研究グループが発表

目などに炎症が繰り返し起きる難病、「ベーチェット病」の原因となる物質を特定したと大阪大学の研究グループが発表し新たな治療薬の開発につながるのではないかと期待されています。

ベーチェット病は目や皮膚など全身に炎症が繰り返し起き、重症化すると失明することもある難病ですが、なぜ炎症が起きるのか原因はわかっていません。
大阪大学大学院医学系研究科の高松漂太招へい教授らのグループは、ベーチェット病の患者およそ60人の血液を分析し、別の病気の患者や健康な人と比べました。
その結果、ベーチェット病の患者の血液には本来は細胞の中に存在するミトコンドリアのDNAが多く含まれていて、細胞から漏れ出した可能性が高いことがわかったということです。
そこでこのミトコンドリアのDNAをマウスに投与する実験を行ったところ、足の関節に炎症が起きたり、目の炎症が悪化したりしたということです。
さらに、このDNAが細胞の外に漏れ出すのを抑える働きをする物質を投与したところマウスの症状は軽くなったということで、グループは細胞から漏れ出したミトコンドリアのDNAが炎症の原因だと結論づけています。
高松さんは「ミトコンドリアのDNAが患者の細胞から漏れ出すのを防ぐことができれば症状を抑えられる可能性がある。今回の発見が新しい治療薬の開発につながればと期待している」と話しています。