阪神リーグ優勝を祝う動き 関西各地で相次ぐ

プロ野球・阪神の18年ぶりのセ・リーグ優勝を祝うさまざまな催しが、関西各地で行われました。優勝から一夜明けた15日の動きをまとめました。

【大阪 デパートで優勝セール始まる】
阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝を受けて、大阪のデパートには開店前から記念セールを待つ人が長い列をつくり、開店と同時に、目当ての品物を買い求めていました。
阪神タイガースのリーグ優勝から一夜明けた大阪・北区の阪神梅田本店では、記念セールに向けて開店前からおよそ2000人が列をつくる中、タイガースのマスコットキャラクターの「トラッキー」らが、くす玉を割って優勝を祝いました。
そして、通常より30分早い午前9時半に開店すると、セールを待ちかねた客がそれぞれ目当ての品物を買い求めていました。
セールでは、18年ぶりのリーグ優勝にちなんだ1800円の記念のケーキや、記念パッケージに入ったバウムクーヘンなどが販売されています。
また、各フロアで優勝を記念した福袋などが販売されています。
大阪・福島区の40代の女性は「きのうは家のテレビで試合を見ていて盛り上がりました。リーグ優勝したのでこのセールを狙ってきました」と話していました。
大阪市内の40代の女性は「物価高なのでお得に買い物ができて助かります。日本一を目指して球場にも応援に行きたいです」と話していました。
阪神梅田本店の小森栄司 本店長は「18年ぶりに優勝セールができてうれしい。お客様と喜びを分かち合いたい」と話していました。
このデパートのほかにも、多くの商業施設や家電量販店で優勝を祝うセールが始まっています。

【尼崎の商店街のボード マジック「0」に】
18年ぶりの阪神のリーグ優勝を受けて、熱烈なファンが多い兵庫県尼崎市の商店街では、優勝へのマジックナンバーを示すボードを「0」に張り替える催しなどが行われました。
尼崎市の尼崎中央三丁目商店街では、リーグ優勝を祝うセールが始まりました。
このうちメガネの販売店は、18年ぶりの優勝にちなんで先着180人にメガネケースを18円で売り出し多くの人が訪れました。
メガネケースを購入した20代の男性は、「途中、巨人に点を取られて心配しましたが、無事、阪神が優勝し、商店街も盛り上がって本当によかったです」と話していました。
店のマネージャーの阪上正さんは、「ここ地元は阪神と一緒に生きているようなものなので、きょうは商売抜き、赤字覚悟のお祭り気分でやっています」と話していました。
また、商店街の中に掲げられたリーグ優勝へのマジックナンバーを示すカウントダウンボードでは、「1」になっていた表示を張り替える催しが開かれ、「阪神優勝おめでとう」というかけ声とともに数字が「0」に替えられると大勢の人たちが拍手をおくり、声をあわせて「六甲おろし」を歌いました。
商店街の寺井利一 理事長は「タイガースが好きな人とこの瞬間を迎えられてうれしい。この商店街は阪神が強い時も弱い時も応援してきているので、そのスタンスを変えずにこれからも阪神とともに盛り上がれるようなイベントを行っていきたい」と話していました。
尼崎中央三丁目商店街でマジックナンバーのボードが「0」に張り替えられるのを見た茨城県の20代の女性は、「きのうは球場で試合を見て、優勝の瞬間は涙が止まりませんでした。きょうはファンの人たちとともにマジックが『0』になるところを見ることができ、最高としか言いようがないです」と話していました。
地元、尼崎市の20代の女性は、「『0』になったのを見た瞬間、鳥肌が立ちました。最高の気分です。選手たちはゆっくり体を休め、クライマックスシリーズに向けてまた頑張ってほしいです」と話していました。

【大阪 ラーメン店でも祝勝イベント】
阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝を受けて、大阪発祥のラーメンチェーンでは、岡田監督と同じ名前の人にラーメンを無料で提供して優勝の喜びを分かち合っています。
大阪発祥のラーメンチェーン「どうとんぼり神座」は、阪神の18年ぶりの優勝を祝って、大阪・ミナミの6店舗で岡田彰布監督と名字か名前のどちらかが同じ人にラーメンを無料で提供するほか、来店した人は誰でも店員に合言葉を伝えると、チャーシューと煮たまごを無料でトッピングできるようにしています。
15日は、お昼時には一時、満席になるなど、多くの利用客でにぎわっていました。
店を訪れた「おかだ」さんは、「名字が『おかだ』の人は無料だと聞いて来ました。阪神を応援していて、ラーメンも18年待ったかいがある味がしました」と話していました。
ラーメンチェーンの運営を行う株式会社理想実業マーケティング本部の橋川健司マネージャーは「18年ぶりということで、ミナミの街の盛り上がりに乗らない手はないと考え、企画しました。インバウンドが多い街ですが、日本人にもどんどん来てもらって、街の活性化につなげたい」と話していました。
このキャンペーンは各店舗の16日の営業終了まで行われるということです。

【奈良 ガソリンスタンドでも優勝セール】
阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝を受け、熱心なファンが経営する奈良県大和高田市のガソリンスタンドでは、15日から大幅な値引きセールを始めました。
大和高田市のガソリンスタンドは、店の経営者が阪神タイガースの熱烈なファンで、20年以上にわたって、チームが勝った翌日はガソリンを2円値引きするサービスを続けてきました。
こうした中、18年ぶりのリーグ優勝を受けて、店では、15日から4日間、ガソリンを1リットルあたり10円値引きする優勝セールを始めました。
店頭には、優勝セールを知らせる看板が急きょ、設置され、黄色の上着を羽織った店員が忙しそうに接客にあたっていました。
店によりますと、値引き額は当初、18年ぶりの優勝にちなんで18円にしようと考えていたということですが、それでは赤字になるため、ぎりぎり採算がとれる10円にしたということです。
給油に訪れた50代の男性は、「ガソリン価格が高騰しているので、セールは阪神の優勝とあわせてダブルでうれしい」と話していました。
ガソリンスタンドを経営する平井勝也 代表取締役は、「経営はぎりぎりだが、せっかくなら客が驚く値引きをしようと思った。日本一になってほしいが、そうするとこれ以上の値引きは難しいので、サービスにポケットティッシュを配ろうと思っています」と話していました。

【滋賀 応援たぬき 販売店も喜び】
阪神タイガースの優勝を祈る信楽焼のたぬきを販売してきた滋賀県甲賀市信楽町の店では、18年ぶりの優勝に店主が喜びをあらわにしていました。
甲賀市信楽町にある信楽焼の販売店では、経営者が阪神ファンとあって、20年前(2003年)から阪神タイガースの帽子をかぶり、しま模様のはっぴなどを着た阪神を応援するたぬきの置物を販売しています。
たぬきは「優勝」と書かれた絵馬を手に持っていたり、腰の帳簿に“ほかのチームを抜いてほしい”という願いから「他抜き」と書かれていたりして、全身で阪神タイガースの優勝を祈っています。
阪神の快進撃にあわせて先月(8月)からこのたぬきの置物の販売が伸びはじめ、今月(9月)にかけて去年の同じ時期の1.8倍にあたるたぬきを販売したということです。
信楽焼の販売店の加藤憲一 社長は、「きのうのアレを見てルンルンで最高な気持ちです。売り上げもアップしていてうれしいです」と話していました。

【佐藤選手の恩師“日本一へ頑張れ”】
18年ぶりにリーグ優勝を果たした阪神の佐藤輝明選手の母校で近畿大野球部の田中秀昌監督が取材に応じ、「教え子が優勝したことはうれしい。日本一に向けてさらに頑張ってほしい」とエールを送りました。
阪神の優勝から一夜明けた15日、佐藤選手の母校、近畿大野球部の田中監督がNHKの取材に応じ「教え子が活躍しての優勝はうれしい。素直におめでとう、よく頑張ったと伝えたい。ただ彼の能力を考えればこれくらいの活躍は当たり前だと思っている」とさらなる活躍を期待していました。
田中監督は「後半はよく頑張ってくれていると思う。肉体的にも精神的にも大変なことが多いと思うが、もうひとふんばりしてチームの勝利に貢献し、日本一で花を添えてほしい」とエールを送りました。
今シーズンかぎりで勇退が決まっている田中監督は「優勝おめでとう。日本一目指して頑張ってください」と佐藤選手にLINEでメッセージを送ると「監督も最後のシーズン頑張ってください」と返信があったということです。
また、近畿大野球部のキャプテンで、佐藤選手と親交が深い坂下翔馬選手は、佐藤選手の13日と14日の2試合連続ホームランに興奮したということで「あのホームランはしびれましたし、後輩たちもすごく喜んでいました。日本一に向けて活躍することを祈っています」と話していました。

【大阪知事“パレードは神戸と大阪でできれば”】
14日夜にリーグ優勝を果たした阪神タイガースのパレードをめぐり、大阪府の吉村知事は15日、「大阪でも実施する予定だが、兵庫県の斎藤知事とは『神戸と大阪、両方でできたらいいね』という話もしている」と述べました。

【大阪市長“本当にうれしい”】
阪神タイガースの18年ぶりの優勝を受けて、大阪市の横山市長は「18年ぶりのリーグ優勝を決めて本当にうれしく思う。パレードについてはパ・リーグのオリックスと一緒にしてほしいという声もあるので、まだ何も決まっていない。まずはオリックスの優勝の日を待ちたい」と述べました。
一方、事前に安全対策への協力を呼びかけていたにもかかわらず、タイガースの優勝を受けて20人以上が道頓堀川に飛び込んだことについては「重大な事故につながるし、過去に不幸なケースも起きている。あれだけ注意を呼びかけ、警察とともに雑踏対策もしていた中で飛び込みがあったことは非常に残念に思っている」と述べました。

【兵庫県“県内で優勝パレードを”】
阪神タイガースのリーグ優勝を受け、兵庫県は県内で優勝パレードを行いたいとして、今後、球団や関係機関と調整を進めることにしています。
14日に18年ぶりの優勝を果たした阪神タイガースは、2003年に優勝した際、神戸・三宮でパレードを行い、沿道にはおよそ25万人のファンが詰めかけました。
県は今回の優勝も地元を活気づけるもので県内で優勝パレードを行いたいとして、今後、球団側と調整を進めながら、神戸市とともに経済界に協力を求めていくことにしています。
具体的な日時や場所はまだ決まっていないということですが、2003年のパレードを参考に11月ごろに神戸・三宮を中心に行いたい考えで、今後、具体案の検討を進めていくとしています。

【神戸市長“ぜひ神戸でパレードを”】
神戸市の久元市長は「具体的なことはまだこれからの相談になるが、兵庫県で優勝パレードをしてもらえるならぜひ、神戸で実現していただきたい。2003年に優勝した際に行われたパレードのルートは参考になると思う。大阪と兵庫の両方でパレードをという話もあり、両方でパレードが行われれば関西全体の盛り上がりにつながり、それに神戸が貢献できれば意義がある」と述べました。

【明石海峡大橋 「タイガース色」に】
プロ野球、阪神の18年ぶりのリーグ優勝を受けて、明石海峡大橋は15日から3日間、夜間に「タイガース色」に彩るライトアップが行われることになりました。
本州四国連絡高速道路によりますと、明石海峡大橋のライトアップは15日から17日の3日間、日没から日がかわる午前0時まで行われます。
毎日、午後6時17分ごろから、▼トラ柄をイメージした黄色と青や、黄色と黒のしま模様になるほか、▼お祝いの意味を込めた紅白の色に変化し、光が点滅したり移動したりして橋を彩るということです。

【甲子園近くの神社では日本一を祈願 】
阪神タイガースのリーグ優勝を受けて、本拠地、甲子園球場の近くにある神社には日本一を祈願するファンが次々と訪れました。
兵庫県西宮市の「甲子園素盞嗚神社」は甲子園球場のすぐ近くにあり、必勝祈願のため阪神タイガースの関係者やファンが多く訪れています。
優勝決定から一夜明けた15日は、ユニフォーム姿のファンが次々と訪れ「祝優勝!日本一も期待しています」などと書かれた絵馬もかけられていました。
東京・立川市から来た20代の男性は、「優勝させてもらったお礼に来ました。岡田監督の言う『普通』をやり抜いて、次は“ソレ”を達成してほしい」と話していました。
宮司の畑中秀敏さんは、「ここ2〜3日は18年前以来ではないかと思うくらい多くの人が来て、きょうも参拝者がひっきりなしに来ています。次は日本シリーズでの“ソレ”を期待しています」と話していました。

【奈良「とら」ゆかりの寺で優勝喜ぶ】
阪神タイガースが18年ぶりのリーグ優勝を決めたことを受け、「とら」にゆかりの深い奈良県平群町の寺にはファンが訪れて優勝のお礼を伝えていました。
奈良県平群町の信貴山にある朝護孫子寺は、聖徳太子が「とら年」の「とらの日」にこの地に立ち寄った際に毘沙門天から戦の必勝法を授かったという言い伝えから「とら」の寺として知られ、ふだんから阪神ファンも訪れています。
18年ぶり6回目のリーグ優勝を決めて一夜明けた15日、本堂の前ではさっそくファンが手をあわせて優勝のお礼を伝えていました。
50代の女性ファンは「阪神が優勝してうれしい。毎年、お参りに来ているけど、ようやくお礼参りができました」と話していました。
また、千葉県から訪れた40代の男性は「クライマックスシリーズで勝ち進み阪神が日本一になってほしいです」と話していました。

【大阪商工会議所会頭“よい「気」くれた”】
阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝したことについて、大阪商工会議所の鳥井信吾 会頭は15日の記者会見で「景気は『気』から来る。よい『気』を提供してくれた」と述べ、当面の景気への期待感とともに、今の盛り上がりを大阪・関西万博にもつなげていきたいという考えを示しました。
15日に大阪市内で開かれた定例の記者会見で、大阪商工会議所の鳥井信吾 会頭は阪神タイガースのリーグ優勝について、「このようなエキサイティングなことはないと私もきのう張り付いて見ていた。18年ぶりの優勝ということでファンに感動と希望と夢を与えてくれた」と述べました。
そして、リーグ優勝による経済効果について問われると、「具体的にグッズが売れるのはもちろんだが、景気は『気』から来る。『気』というのは社会のムードに結構、影響するので、そういう意味ではよい『気』を提供してくれた。よい『気』は、景気だけでなく万博にもつながってくるので、何よりのバックアップになる」と述べ、当面の景気への期待感とともに、この盛り上がりを再来年の大阪・関西万博にもつなげていきたいという考えを示しました。