阪神優勝時に備えを 大阪 道頓堀の商店会 店に注意喚起

阪神タイガースがリーグ優勝した場合に多くの人が集まることが予想されている大阪・ミナミの道頓堀では、地元の商店会が、加盟する１００余りの店舗に対し、トラブルなどに備えて閉店時間を早めるなどの対策をとるよう促す文書を配りました。

道頓堀は、阪神タイガースが優勝するたびに多くのファンなどが集まることで知られていますが、▼１９８５年にリーグ優勝した際には、熱狂的なファンがファストフード店に設置されていた「カーネル・サンダース人形」を胴上げし、道頓堀川に投げ込んだほか、▼２００３年のリーグ優勝時には戎橋から５０００人以上が川に飛び込む騒ぎとなり、１人が死亡しています。
こうしたことから、周辺の１００余りの店舗が加盟する「道頓堀商店会」は、騒ぎやトラブルなどが起きた場合に備えて対策をとるよう促す文書を各店舗に配りました。
それによりますと、まず、▼店頭に置かれた看板などが移動させられたり壊されたりするおそれがあるとして、優勝が決まる前に店内にしまうよう求めています。
また、▼川に飛び込んだ人などが入店するおそれもあることから閉店時間を早めることや、▼ごみの散乱などを防ぐため、ごみは優勝した翌日にまとめて出すこともあわせて検討するよう要請しています。
商店会では、判断はあくまで個々の店舗に任せるとしていますが、特に戎橋の周辺にある店舗は注意してほしいと話していました。

【阪神優勝時 戎橋周辺の規制は】
阪神タイガースが優勝した場合、大阪・ミナミの道頓堀川にかかる戎橋の周辺には多くの警察官が配置され、通行規制などが行われる予定です。
戎橋は中央に丸い形の広場があり、両端に川沿いの遊歩道につながるスロープが設置されています。
２００３年のリーグ優勝時には、橋から５０００人以上が川に飛び込む騒ぎとなったため、警察は今回、リーグ優勝した場合は両端のスロープを通行止めにするほか、橋の周辺にある遊歩道への立ち入りも規制するということです。
また、近くにあるビルから戎橋の混雑状況を確認し、危険な兆候があれば橋そのものの通行を一時的に規制するとしています。
さらに、歩行者の誘導や注意の呼びかけを行うため、いわゆる「ＤＪポリス」と呼ばれる警察官を戎橋の上や御堂筋沿いなど５か所に配置する予定です。
一方、戎橋の西側にある道頓堀橋には高さ２メートルほどのシートが設置されます。
戎橋側の視界をふさぎ、歩行者が立ち止まらないようにすることで、群集事故を防ぐねらいがあるということです。
大阪府警察本部は、優勝が決まる可能性がある日は試合前から戎橋の周辺などで警戒にあたることにしています。

【大阪知事“準備組織を作りたい”】
大阪府によりますと、２００５年の阪神のリーグ優勝時には、大阪府と大阪市、それに地元の経済団体などで作る実行委員会の主催で、大阪の中心部、御堂筋でパレードが行われました。
阪神のマジックナンバーが着実に減り、「アレ」のタイミングが近づく中、大阪府の吉村知事は１３日、オリックスも優勝に向けて頑張ってほしいとエールを送ったうえで、「パレードを実際にどうするか、決まっていないが、行政だけでなく民間も巻き込んで盛り上げていくのは重要だ。それぞれのファンの皆さんもみんなでお祝いできるようなものをしっかりと考えている。そのための準備組織を作っていこうと思う」と述べました。