財務省文書改ざん 2審も元理財局長の尋問認めず 大阪高裁

財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の職員の妻が、佐川元理財局長に賠償を求めている裁判の2審が13日始まり、大阪高等裁判所は職員の妻が求めていた元局長の尋問について、1審に続いて認めない判断を示しました。

森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ、5年前に自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻の雅子さんは、改ざんの方向性を決定づけたとされる財務省の佐川宣寿 元理財局長に賠償を求める訴えを起こしています。
1審の大阪地方裁判所は去年11月、元局長の賠償責任を認めず、雅子さんは控訴していました。
13日、大阪高等裁判所で2審が始まり、雅子さんが「私の希望は佐川さんからの説明と謝罪です。夫がどうして死ななければならなかったのかを知りたいです」と意見を述べました。
雅子さんは、改ざんの指示の具体的な内容を明らかにするため、元局長の尋問を求めていましたが、裁判所は「検討した結果、実施する必要性はない」として1審に続いて認めない判断を示しました。
雅子さんは、改ざんに関わった当事者が法廷で夫の死の真実を明らかにするよう求め続けてきましたが、実現することができなくなりました。
裁判は13日で結審し、判決はことし12月19日に言い渡されます。

【妻の雅子さん“本当に残念”】
裁判のあと、赤木俊夫さんの妻の雅子さんは、「裁判官から証人尋問は却下すると言われ、本当に残念だと思いました。これでは夫が死ななければならなかった理由がわからずじまいです。何の説明もせず、責任も取らなくてよいことが証明されたと思うので、本当に悲しいです」と話しました。
また、佐川元局長については、「自分は悪くないというのであれば、法廷ではなくてもいいので、自分のしてきたことを話してほしい」と話しました。