関西弁で犬のキャラと会話 高齢者向けにAI活用 大阪府

大阪府は、高齢者の会話や外出の機会を増やそうと、犬のキャラクターが関西弁で回答する生成AI=人工知能を活用したチャットボットの運用を始めました。

大阪府が運用を始めたのは、生成AIを活用したチャットボットで、10歳のしば犬のキャラクター「大(だい)ちゃん」と関西弁で会話ができます。
高齢者向けのサービスで、利用者がLINEの公式アカウント「おおさか楽なび」を友達登録すると使うことができるようになり、キーボードや音声での問いかけに「大ちゃん」が返答する仕組みです。
12日、大阪・泉大津市の会場では、タブレット端末の貸し出しが行われ、高齢者およそ40人が集まってチャットボットの使い方を学びました。
参加者の男性が13日の天気を聞くと、大ちゃんが「曇り時々晴れ。知らんけど」と答え、男性は「知らんのかい」と笑いながらやりとりをしていました。
大阪府がこれまで運用していたチャットボットは、回答のパターンが決まっていて会話が途切れがちでしたが、新たに生成AIを活用することで回答の幅が広がったということです。
住所を登録すると、近所にある散歩におすすめの公園を紹介するほか、今後は美術館や博物館などを案内するということです。
大阪府は高齢者の生活スタイルに合わせた情報を提供することで会話や外出の機会を増やし、健康や生きがいにつなげたいとしています。
参加した80代の男性は「操作が慣れなかったけれど、人と話しているのと変わらない感覚で、会話はおもしろかったです」と話していました。
大阪府スマートシティ戦略部戦略推進室の山田将義 課長補佐は「ふだんの会話と同じように関西弁でしゃべってもらって、関西弁で返ってくる日常に近いスタイルで会話を楽しんでもらいたい」と話していました。

【1人暮らしの高齢者 増加傾向】
大阪府によりますと、府内に住む高齢者世帯のうち1人暮らしの人の割合は、2020年は39.3%だったということです。
2040年にはさらに単身の高齢化は増え、推計で45%を超えるとみられています。
これは、全国平均の40%より、およそ5ポイント高くなっています。
また、内閣府が行っている高齢者の生活などに関する調査によりますと、2020年度には60歳以上のおよそ3人に1人が「家族以外に親しい友人がいない」と回答したということです。
大阪府は、新たに導入したサービスを通じて社会活動への参加を促し、高齢者の孤立の解消や健康寿命の増進につなげたいとしています。