金剛バス 路線バス事業廃止へ 社長“運転手不足が主な要因”

ことし12月に路線バス事業を廃止することになった大阪・富田林市の「金剛バス」について、運営会社の白江暢孝 社長がNHKなどの取材に応じました。
この中で、白江社長は運転手不足が廃止の主な要因だと説明したうえで、現在、別の会社が路線バスの運行を担う方向で検討が進められていることを明らかにしました。

富田林市や河南町など、4つの市町村を中心に路線バスを運行する金剛バスについて、運営会社は11日、ことし12月20日で事業を廃止することを明らかにしました。
運営会社の「金剛自動車」の白江暢孝 社長が12日、富田林市の本社でNHKなどの取材に応じ、すべての路線が赤字となる中、運転手不足も慢性化し、減便を行ったり、ほかのバス会社から派遣を受けたりしたものの、事業の継続が難しくなったと今回の決断に至った背景を説明しました。
そのうえで白江社長は「自治体からは『補助金を出すので運行を続けてほしい』という話もあったが、それで運転手が集まるかと言えば、そうではない。2024年問題で残業時間の規制が入ると、かなり減便をせざるをえず、そうすれば収支も悪化する」と述べ、廃止は避けられなかったという考えを示しました。
また、金剛バスの路線について、白江社長は「地域に空白地域を作らないよう努力していく。すべての路線がなくなるとは考えていない」と述べ、廃止後については、自治体など関係機関の間で別の会社が路線バスの運行を担う方向で検討が進められていることを明らかにしました。

【4市町村が協力要請】
富田林市などを走る「金剛バス」の路線バスがことしの12月に廃止されることを受けて、地元自治体である▼富田林市と、▼太子町、▼河南町、それに、▼千早赤阪村の4市町村は、住民生活への影響が大きいとして路線バス事業者に対して、代わりとなる交通機関の運行を行うよう協力を要請したことを明らかにしました。