有機フッ素化合物PFAS 大阪で住民の血液中濃度調査へ

全国各地の川や地下水などから有機フッ素化合物の「PFAS」(ピーファス)が高い濃度で検出されている問題で、専門家などのグループは、大阪府内で住民の血液中の濃度を調べる1000人規模の調査を行うことになりました。

「PFAS」は、4700種類以上あるとされる人工的な有機フッ素化合物の総称で、このうちPFOA(ピーフォア)など一部の物質は、アメリカの研究で発がん性などが指摘されています。
自然界で分解されにくく、大阪府内では環境省の4年前(令和元年度)の全国調査で、過去にPFOAを製造していた大手空調メーカー「ダイキン工業」の建物に近い摂津市の地下水から高い濃度で検出されました。
府内ではほかの調査でも大阪市の地下水などから検出されていて、健康への不安が広がっていることから京都大学と市民団体のグループは府内で住民の血液検査を行うことになりました。
対象は摂津市や大阪市を含む9つの市の住民を予定していて、9月から希望する人を募集し、ことし中に約1000人に実施したいとしています。
採取した血液は京都大学で分析し濃度などを調べるということで、調査をする京都大学大学院の原田浩二准教授は「大阪は地下水などの濃度が高く今回の調査は国内の全体状況を明らかにすることにもつながる。血液検査の値が高い地域があればどこから摂取しているのか調べて対策したい」と話していました。