国循理事長らの論文不適切指摘 研究不正の有無 本格調査へ

大阪・吹田市にある国立循環器病研究センターの理事長らが発表した複数の論文の画像などについて、不適切な点があるとする指摘があり、センターは内容を検討した結果、ねつ造や改ざんの研究不正があるかどうか、本格的な調査を行うことを決めました。

国立循環器病研究センターによりますと、大津欣也 理事長と研究所の元副所長が発表した心臓の病気に関する複数の論文について海外のウェブサイトで画像の不適切な使用があるなどと指摘されました。
センターでは、先月(8月)から指摘の内容を検討する予備調査を行っていましたが、8日、さらなる検証が必要だとして、外部の専門家だけでつくる調査委員会を設置し、ねつ造や改ざんの研究不正があるかどうか、本格的な調査を行うと発表しました。
国立循環器病研究センターは、国内に6つある高度専門医療研究センターの1つで、心臓と脳の病気を専門に扱う施設ですが、こうした施設で理事長を対象とした本格的な調査が行われるのは初めてです。
センターによりますと、理事長は予備調査が始まる時点で「科学者としての良心に基づき、研究活動を行ってきた。一切そんたくのない公正中立な調査を行っていただきたい」と話していたということです。