ガソリン価格 大阪府平均187.7円 3週連続で最高値更新

今週のレギュラーガソリンの小売価格は、大阪府内の平均で1リットルあたり187.7円となり、3週連続で最高値を更新しました。

国の委託を受けて、ガソリン価格を調査している石油情報センターによりますと、4日時点のレギュラーガソリンの小売価格は、大阪府内の平均で前の週より0.2円値上がりして、1リットルあたり187.7円となりました。
大阪のガソリン価格が値上がりするのは12週連続で、都道府県別の価格を公表している2004年以降で最高値を更新しました。
大阪で最高値を更新するのは3週連続です。
関西では、▼京都が188.5円(+1.3円)となり、最高値を更新したほか、▼滋賀は184.8円と、最高値を更新した先週から横ばいでした。
このほか、▼奈良が184.1円(+0.9円)、▼和歌山が183.5円(+1.2円)、▼兵庫が183.1円(+0.6円)と、いずれも先週から値上がりしています。
これは、▽政府の補助金が段階的に縮小されていることに加え、▽産油国の自主的な減産の影響で原油価格が上昇傾向にあること、さらに、▽円安によって輸入価格が膨らんでいることが要因です。
今後の見通しについて石油情報センターは「政府が石油元売り会社に支給している補助金を拡充することから、ガソリンの小売価格は来週は値下がりが予想される」と話しています。

【びわ湖の連絡船にも影響】
びわ湖に浮かぶ滋賀県近江八幡市の沖島と対岸を結ぶ連絡船も、燃料費の高騰の影響を受けています。
この連絡船は、沖島の自治会が運航していて、びわ湖の沖島と対岸の近江八幡市の港を片道およそ10分で結んでいます。
平日は1日12往復し、通勤や観光などに利用されています。
料金は大人1人、片道500円で、2009年(平成21年)以降、15年近く据え置かれています。
一方で、燃料に使う軽油は、ことし5月には1リットルあたりおよそ90円でしたが、今月(9月)は107円に達しているということです。
連絡船のひと月あたりの燃料費は、ここ2〜3か月は65万円前後で推移してきましたが、急激な値上がりで今月(9月)の燃料費は70万円に届く可能性もあるということです。
自治会によりますと、料金を値上げする予定は今のところありませんが、燃料費の高騰が長期間続けば値上げの検討を迫られると話しています。
沖島に暮らし漁業を営んでいる男性は「月に4回から5回、連絡船を利用しています。島民にとっては重要な交通手段なので料金が上がると困ります」と話していました。
連絡船の乗務員の男性は「燃料だけでなくいろいろなものが値上がりして大変ですが、地域の交通手段として頑張っていきたいです」と話していました。

【兵庫 明石 漁協関係者は懸念】
原油価格の値上がりの影響で船の燃料も高騰していて、兵庫県明石市では名産の「明石だこ」などの水揚げを行う漁協の関係者からは採算の悪化を懸念する声が聞かれました。
明石市の東二見漁港では、兵庫県のブランドとして有名な「明石だこ」や「明石鯛」(あかしだい)など、瀬戸内で取れた新鮮な魚介の水揚げが盛んに行われています。
東二見漁協によりますと、近海で漁を行う船は燃料として1日あたり100リットル程度の軽油を使用していますが、ここ数年で最も価格が安かった3年前と比べると、燃料代がおよそ1.5倍に増えているということです。
こうした中、漁協では少しでも燃料の使用を減らそうと、▼燃費を向上させるため船底につく貝などを頻繁に清掃することを促したり、▼漁を終えて帰ってくる際は速度を抑えたりすることなどをアドバイスしています。
しかし、漁業者の中には一定以上の漁獲量が見込めない日は赤字になるとして漁に出るのを見送る人も増えているとしています。
30年以上、漁をしているという男性は「燃料代が上がってしんどい。魚の価格も比例して上がってくれればいいが、そうもいかない。船のスピードを落としているが、どれくらいの効果があるものか」と話していました。
東二見漁協の福井基之 参事は「普通の企業は物価の高騰によって値上げできるが、漁師の場合、市場が価格を決めるので値上げが自主的にできない。これ以上、燃料代が上がると廃業を検討する人も出てくる可能性もあるが、食卓に明石の水産物が並ばなくなるのは寂しいので、それは何とか避けたい」と話していました。