飛鳥寺で出土 「舎利容器」内部に小さな玉のようなもの

日本最古の本格的な寺院、奈良県明日香村の「飛鳥寺」の塔の跡で、60年あまり前に見つかった金銅製の容器には、小さな玉のようなものが納められていることが、奈良文化財研究所の調査でわかりました。

「飛鳥寺」は6世紀末に建立された日本最古の本格的な寺院で、66年前に行われた塔の跡の発掘調査では、さまざまな出土品が見つかっています。
このうち、釈迦の骨を納めたとされる金銅製の「舎利容器」について、奈良文化財研究所がX線CTを使って調べたところ、中にドーナツのように穴が空いた2ミリから3ミリほどの大きさの玉のようなものが複数納められていることがわかりました。
66年前の発掘調査では、この容器の周辺から同じようなかたちのガラス玉が見つかっていることから、研究所は今回、確認されたものもガラス玉ではないかとみています。
今回の容器は、鎌倉時代に塔が火事で焼失したあと、再び埋め戻されたものとみられ、調査にあたった奈良文化財研究所の石橋茂登学芸室長は「舎利容器の中身について研究が進んだのは大きな成果だ。今後さらに詳しく研究を進めていきたい」と話しています。
この研究成果は、奈良文化財研究所が発行する「紀要」に掲載されています。