羽曳野市 認知症予防へ健康診断データをAI分析 東大と協力

認知症の予防に役立てようと大阪・羽曳野市は、東京大学と協力して、市の健康診断を受けた人のデータをAI=人工知能で分析し、個々人の健康状態にあわせた予防対策を提案するプログラムの開発を目指すことになりました。

羽曳野市は、65歳以上の高齢者の割合がおよそ30%と高齢化が進んでいて、認知症の予防対策が課題となっています。
こうした中、東京大学と協力して対策を進めることになり、8月30日、市役所で協定の締結式が行われました。
それによりますと羽曳野市は、平成20年度から平成30年度までに市の特定健診を受けたすべての人の血液検査などのデータと、国民健康保険の記録をもとに作成した病歴を、個人が特定されない形で提供します。
東京大学は、AI=人工知能を使ってこれらのデータを分析し、認知症と診断された人や認知症のリスクが高い人に特徴的な傾向などがないか、調べるということです。
これらのデータの分析は、令和7年度まで続けられ、市と大学は、最終的に個々人の健康状態にあわせて認知症予防のための食事や運動などの対策を提案するプログラムの開発を目指すとしています。
東京大学高齢社会総合研究機構の酒谷薫 特任研究員は、「10年以上にわたる健康診断の結果を提供してもらえることは、予防プログラムを作る上で大変、重要だ。全国各地で役立つものになると思うので、市と力を合わせて取り組みたい」と話していました。