大阪公立大 AI使いレントゲン画像で心臓病検出システム開発

AI=人工知能を使って、健康診断などで行われる胸のレントゲン検査の画像から心臓病を見つけるシステムを開発したと、大阪公立大学の研究グループが発表しました。
専門医がいない地域や夜間の救急などでの活用が期待されています。

心臓の弁の動きが悪くなる「心臓弁膜症」は、専門医による超音波検査などで診断されていますが、国内の患者数は200万人以上と多く、効率的な診断が課題となっています。
大阪公立大学大学院の植田大樹 研究員などのグループは、健康診断などで行われる胸のレントゲン検査の画像に心臓が写っていることに着目し、2013年からおととし(2021年)にかけて大阪府内の4つの病院で行われた胸のレントゲン検査と心臓の超音波検査のデータ、およそ1万7000人分をAIに学習させました。
その結果、レントゲン検査で写る心臓や弁の形などをもとに、心臓弁膜症を68%から90%の精度で検出するシステムを作ることができたということです。
研究グループでは、AIが病気だと判定した画像について詳しく分析したうえでシステムを改良し、数年以内の実用化を目指したいとしています。
植田研究員は、「高齢化で心臓弁膜症の患者は増える一方、超音波検査ができる専門医は不足している。専門医がいない地域や夜間の救急などでの活用につなげたい」と話していました。