世界遺産 奈良 春日大社で特別展 縁起物の宝物など約50点

奈良市にある世界遺産、春日大社で縁起物の動物や植物の文様をあしらった宝物の特別展が開かれています。

会場の春日大社の国宝殿では福を招くとされる動物や植物の文様が描かれたよろいや太刀などおよそ50点が展示されています。
このうち鎌倉時代につくられた国宝の「赤糸威大鎧(あかいとおどしおおよろい)」は、大袖と呼ばれる腕の部分に武運の強さを意味する虎があしらわれているほか、繁栄を表す竹とすずめの金具が飾りつけられた豪華なよろいです。
また、国宝の「平胡※グイ(ひらやなぐい)」は平安時代につくられた矢を納める容器で、表面には飛び交う千鳥の文様が描かれ勝利や家内安全を祈願しています。
このほか、子孫繁栄を表すネズミや出世を願うコイなどが描かれた舞楽の装束なども展示されています。
春日大社国宝殿の渡邉亜祐香 学芸員は「宝物の中にある動物や植物の文様を楽しんで見てもらうと同時に縁起の良い文様で福を願った当時の人々の祈りの心を感じ取ってほしい」と話していました。
特別展は途中で展示の内容を一部変えてことし12月13日まで開催されています。
※グイは、たけかんむりに「録」の「ヨ」の部分が「碌」の右上